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マンシングウェアオープンKSBカップ 2006

谷原秀人「最終日には良いパフォーマンスができる」

先週日曜日のことだ。専属トレーナーの山坂元一さんに言われた。「球に勢いがないな」。その一言で「あったま、来た!」。翌月曜日、いつものトレーニングをバージョンアップ。ベンチプレスに、鉄アレイ。上半身強化のハードメニューで鍛え上げたのだ。
「おかげで今週、バリバリの筋肉痛で・・・」。

練習日が特にひどかった。ティショットは250ヤード程度しか飛ばず、短いクラブも柔らかなタッチが出せない。距離感が合わない。
「ほんっと、ひどかった。このままなら、棄権しようか、と思っていたくらい」という。
この日初日は応急処置で、体中に痛み止めの軟膏を塗りたくって、ティグラウンドに立ったのだ。

「バンテリンのおかげかな。昨日までよりはずっとまし」と、持ち前の爆発力が戻ってきた。
66でまわって、2位タイスタートだ。

「いま、ゴルフが楽しくて仕方ない」という。
このオフは、東北福祉大の後輩・谷口拓也と米パームスプリングスでやはりハードなトレーニングで体を苛め抜いた。
毎朝5キロのランニング。昼から400メートルダッシュ5本、200メートル5本・・・。「こんなに、走ったことないってくらい。走りまくってた。あんまりハードで、拓也なんて吐いてたくらい」。
しかしそのおかげで、「多少の故障にもびくともしない。強い体になった」と、実感している。

昨年、左手首を傷めて苦しんだ時期もあっただけに、同じ轍は踏まない。
米をためたバケツの中に手を突っ込んで3分間、中で揉見続ける手首強化のメニューも欠かさない。

先週の日本プロで練習仲間の近藤智弘がツアー初優勝。
谷原は、すでに2勝をあげているが「すでに、追いかける気持ち」という。
「僕も欲しい日本タイトル。近藤さんは粘って取った。技術だけでなく、精神的にも相当強くないとできないことだから」。自分の2勝以上に、近藤は価値ある1勝をしたと感じた。
そして、そんな勝利を自分も手にしてみたい、とも・・・。

その思いがあったからこそ、この月曜日もムキになってダンベルをあげたのだ。
トレーナーの山坂さんによると、筋肉痛の体も、この週末で最高の状態に仕上がるとのこと。
「最終日に、良いパフォーマンスができると言われているんですよ」。
予言めいたコメントを残した。

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