最後の最後になって、ようやく「前向きな気持ちが出てきた」。出だしの10番パー５で２オンに成功しながら、３パットのパーに終わって「嫌な雰囲気」。
それでも、気持ちが折れることはなかった。

14番パー３。
７番アイアンでピンまで30センチのスーパーショットを打って弾みがついた。
後半の５番から３連続バーディを奪い、首位と２打差の単独３位に「いやあ、今日は粘れたねえ！」と、久しぶりに笑みがこぼれる

今季は、シード権の確保を終盤まで引っ張った。
ようやく、息をついたのが２週前。
三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズで15位タイ。
来季の出場権を確実に手にするまでは、「毎週、戻しそうな（吐きそうな）くらいの緊張感。修羅場をくぐり抜けてきた」と、振り返る。

「今年はとにかく予選を通ること、１打でもミスしないということが先というゴルフ。痺れてしまって、攻めるに攻められない。･･･すごく苦しかった」と、打ち明けた。

賞金ランク61位で迎えた今大会は、いよいよ自身の“最終戦”。
しかし、このまま終わらせたくない気持ちで一杯だ。

「もう、優勝するしかないけれど。こうなったらぜひ実現させたい」。
昨年覇者と、ツアー優勝者と、今大会終了時点の賞金ランク25位までの者にしか出場権がない次週のツアー最終戦『ゴルフ日本シリーズＪＴカップ』。

「つらかったこの１年を糧にして残り２日、ぜひ来週出られるように頑張りたい」。
シード権の呪縛から逃れたら、狙うはツアー通算５勝目。