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アコムインターナショナル 2000

首位タイ発進は推薦出場の中村直俊

 中村の武器は、300ヤードを優に超える飛距離。だが、この日の中村を支えたのは、パッティングだった。
 先輩の伊沢利光を真似て作り変えた32インチの“短尺”パターで、次々とチャンスパットを沈めた。
 ここ茨城は地元での大会。今季まだツアー3戦目の中村が、故郷での大活躍を夢見て、残り3日間をひた走る。

 推薦出場の中村直俊が、好スタートを切った。
 スタートの10番で4メートルを沈めてバーディ発進すると、12番では2メートル。
 465ヤードの長いパー4は、残り178ヤードの第2打をスプーンで50センチにつけるスーパーショットも放ち、18番では7メートルのバーディチャンスも決めて、前半だけでノーボギーの5アンダー。

 中村の武器は、平均300ヤードを超える豪快なドライバーショットだ。
 だが、「今、すごく調子が悪い」という。
 「6番のティショットなんか、チョロみたいなチーピンみたいな変なミスをして230 ヤードくらい残ってしまったし…。まっすぐ飛ばないんですよ。
 ここのコースはきちんとフェアウェーをキープできれば、かなりチャンスがあると思うんですけどね…。ラフからのショットなんて、とんでもない。そう思って、今日は刻みを多くしたんです」

 中村のドライバーの不調を補ったのは、パッティングだ。
 今年2月に行われた、師匠の尾崎将司・邸での合宿で、先輩の伊沢利光が使っている 31インチの“短尺パター”で試しに打ってみたら、これがハマッた。

 「僕はもともと、パターのときに手が詰まったような感じになることが多かったんですが、伊沢さんので打ってみたら、前よりスムーズに手が動く感じがしたんです。ラインにむかってヘッドが出やすくなったというんでしょうか。
 それで、僕もシャフトを2インチ切って32インチにしました。加えてグリップも太くして、ヘッド部分には、ナマリをつけて重くしたんです」

 短くしたことで、最初のうち感じたアドレス時の違和感にも今ではすっかり慣れ、面白いようにパットが決まりだした。
 「それと、打つときに考え過ぎないこと。ボールを上からしっかり見て、構えたらすぐ打つ。そして、打った瞬間はカップを見ないでじっとしていて、しばらくしてからコロンとカップインするイメージ…これを続けていたら、たまたま今日は入っちゃったという感じですね」

 5アンダーで折り返すと、後半の1番、2番では2メートルを入れて連続バーディ。65をマークして、首位でホールアウトした。

 「パットが入ると、嬉しいもんですね〜。ドライバーで400ヤードくらい飛んでもなんにもならないけど!」と、笑う中村は、今季まだツアー3戦目。地元・茨城で結果を出して、残りシーズンの出場権を手に入れたい。

★ 中村直俊
 父・清さんの勧めでゴルフを始めた。
 ゴルフの名門・水戸水上高校卒業後、ツアープレーヤーを目指して18歳のときに尾崎将司の門下生として尾崎邸に居候をはじめた。「ジャンボさんからは、数え切れないくらいさまざまな面で影響を受けていますが、特にメンタル面。何事も突き詰めてやりとおす姿勢には、いつも頭が下がります」(中村)。家族は明美夫人と、今年5月に生まれたばかりの長男・優希ちゃん。地元、茨城県出身。

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