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日本オープンゴルフ選手権 2009

韓国出身の米国籍、ハン・リーは「ここではボギーを少なくした人が勝つ」

最終組のひとつ前の組が18番グリーンに上がってきた。夕焼け空に、30センチの身長差がひときわ映えた。

481ヤードと距離の長いパー4は豪快にドライバーで攻めて、軽々と2オンさせるつもりだったが、手前のバンカーに打ち込んだ。
寄せきれず、5メートルのパーパットを外し、しょんぼりとうなだれる190センチのリーの背中をいたわるようにさすったのが、162センチの月森洋二さんだ。

昨年の今大会で6位に入り、たちまち意気投合した。
月森さんは、「片言の英語しか喋れないから」と謙遜するが専属キャディとして、正式にタッグを組んだシード元年の今シーズンを支えてきた。

特に今週、2人で何度も話し合ったのが、「日本オープンはバーディよりも、ボギーを少なくした人が勝ちだ」ということ。

平均290ヤード超の飛ばし屋だが月森さんのアドバイスどおり、この日も5番、7番、11番、17番で2番アイアンを握るなど、少しでも危険を察知したホールでは、フェアウェーキープに徹した。
攻守のメリハリも完璧に、この日は1バーディ1ボギーのイーブンパーには「とっても退屈なゴルフだよね」と大きな体を縮めておどけたが、多少のミスは得意のアプローチでしのぐ。この2日間は、危なげないゴルフが難コースで光っている。

自身初の最終日最終組を経験した先週のキヤノンオープンから引き続き好調をキープして、「明日はきっとたくさん試練があるでしょう。でも、僕は思いきってチャレンジしていきます」。

でこぼこコンビが難コースを制してツアー初優勝の栄光をつかむか。



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