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日本オープンゴルフ選手権 2009
今年の日本オープンは、5人のアマチュアが決勝進出
1番で左の林へ。第2打はフェアウェーに出すだけ。4打目のアプローチは4メートルのパーパットが残ったが、これを沈めて落ち着いた。
そのあとは、9番まで危なげなくパーを重ね、後半は手堅く2バーディ1ボギーにまとめた。
そして迎えた最終18番は、481ヤードと距離の長いパー4で、すぐそばのピンに対して手前ラフからのアプローチをかつんと当ててOKパー。
最後に絶妙の寄せを披露して、通算イーブンパーで決勝ラウンド進出だ。
少しでも曲げれば、すっぽりとはまり込むラフを警戒し、ティショットのドライバーは「飛ばさないで、とにかく安全に。軽く振って、フェアウェーキープに徹している」という。
距離は残るがその対策として、今回は3番、4番アイアンを抜いて、かわりに2本のユーティリティをバッグに入れて、190ヤードと200ヤードの距離を打ち分けている。
「それがすごく上手くいっていて。自信を持って、2打目以降が打てている」。
大塚くんのホームコースは地元の川越カントリークラブに所属する南浩一プロがバッグを担ぎ、7年来のつきあいで息もピッタリ。
「距離やクラブ選択はすべて任せています」と二人三脚の12位タイは、上々の予選通過だ。
トーナメントは、昨年のキヤノンオープンで“デビュー”。しかし当時はまだ高校3年生で、緊張からか「何がなんだか分からないまま2日間が、終わってしまった」。
リベンジのツアー2戦目は、このゴルファー日本一決定戦にも、「雰囲気を楽しめている」と精神的な成長も著しく、気負いもなくこの大舞台も堪能する余裕がある。
「決勝に進めたからには、明日から出来るだけ上で。行けるところまで行こう」と、南プロと笑顔で頷き合った。
さらに、明徳義塾高校の松山英樹くんが大塚と揃って通算イーブンパーで、決勝ラウンドに進出した。
「あまり、人と話すのが得意ではないんです」という17歳は、この日2日目は、シックにまとめた同組の藤田寛之と藤島豊和とは対照的に、真っ赤なパンツと黒のポロシャツに、秘めた気合いを全面に押し出した。
プロ顔負けのそつないゴルフは「アプローチとパットがうまいこといったのでしのげました」と、不器用に応えた。
予選突破は今年、大洗で行われた三菱ダイヤモンドカップに続く2度目と、難コースでこそ若い力を発揮する選手だ。
「残り2日も少しでも上に行って、良い選手と回ってもっと勉強したい」と貪欲だ。
そして3人目は、やはり高校生。
福井工業大学附属福井高1年の川村昌弘くんは、後半の1番でスプーンの250ヤードを4メートルにつけて、イーグルを奪う大物ぶり。
そして最後もバーディで締めた。9番パー3は6番アイアンで5メートルにつけてこれを沈めた。
川村くんは通算1オーバーの21位タイ。
さらに日大1年の小平智くんと、東北福祉大2年の藤本佳則くんが通算2オーバーの38位タイと、これまた目覚ましい活躍で、週末にコマを進めた5人のトップアマがそれぞれ1打差の好位置でひしめいる。
今年のローウェストアマチュア賞争いも、がぜん面白くなってきた。
川村くんは、「上の2人(大塚くん、松山くん)とは1打差だけど、このコースなんで平気で順位が変わっちゃう。自分から崩れないように、頑張ります!」と話す16歳のまだあどけない笑顔には、溢れんばかりの夢と希望がこぼれ出ていた。
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