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スメイルはパーオン率賞、ジョーンズはバーディ率賞…揃って2年連続の受賞!
正確無比なコントロールショットでスコアを作るのがスメイルなら、誰よりも遠くに飛ばし、高い球で軽々とグリーンに乗せてバーディを獲るのがジョーンズだ。
その結果はまさに数字が物語る。
パーオン率賞と、バーディ率は2人揃って2年連続の受賞に、今年も日本で活躍するオセアニア勢の存在感を示してみせた。
ラウンド中のパフォーマンスも対照的だ。
いちど、こんなシーンを目撃したことがある。
カメラマンが、バンカーに打ち込んだスメイルのボールに気がつかず、他の同組の選手を撮影しようとスメイルの飛球線方向の真ん前でカメラを構えていた。
と、背後から柔らかな声が聞こえた。
「スミマセ〜ン、ウチマス〜!」。
はっと気付いて大慌てで飛び退いたカメラマンは、あってはならない大ミスに平謝り。
普通なら、あきれ果てるか怒鳴られても仕方のない状況にも、スメイルはにっこりと「いえいえ、ちっとも構いませんよ」。
この選手がラウンド中にイラだったり、怒っているところを見たことがないとは、もっぱらの評判だ。
本人も「そうですねえ、僕が怒るのは、子供たちが僕の言うことを聞かないときくらいかな」というほどで、常に穏やかで紳士的な振る舞いに、日本にもこの人のファンは思いのほか多い。
対するジョーンズもまたしかりだ。
ウィットに富んだジョークと大きな身振りと満面の笑顔が印象的で、たとえば最終戦のゴルフ日本シ
リーズJTカップ。
強風が吹き荒れた大会2日目に、6番ホールであわやOBのセカンドショットが木に跳ねて、ギャラリーを直撃した。
幸い大ケガには至らなかったものの、せめてものお詫びにとジョーンズはボールにこんなメッセージをしたためてご本人に手渡した。
「NO.6 GOMENNASAI」。
英語で「SORRY」ではなく、あえてローマ字で日本語の「ごめんなさい」と書いたところがこの選手らしい。
また片山晋呉と回った最終日には、スタートの1番で片山がボールとテンガロンハットをギャラリーにプレゼント。
それを見るやジョーンズも負けじとキャディバッグに手を突っ込んで…。
その手には、なんと数本のクラブが!!
それを今にもギャラリースタンドに投げ込まんばかりのポーズに、大観衆がドっと沸いた。
そんな楽しいパフォーマンスにたちまち虜になるギャラリーも多く、「ジョーンズってカッコ良い!」という子供たちの声もよく聞かれる。
異国の地での転戦は、常にアウェイでの戦いを強いられているようなもの。
優勝争いで日本人びいきの歓声を聞くなり戦意を喪失する外国人選手も多いが、ジョーンズはちっとも気にしない。
「だって、自分の国の選手を応援するのは当然の心理でしょう?」とむしろあっけらかんと、「それでも中には僕のことを応援してくれる人がいるはずだから。それを力に変えるんだ」と余裕の笑みを見せるのだ。
このプラス思考こそ、彼らの強み。
アメリカでも十分通用する力を持ちながら「日本ツアーが大好きだから。これからも、日本で頑張りたい」と言う2人。
来年は、またどんなプレーで魅せてくれるだろう。
※パーオン率賞受賞のデービッド・スメイルには社団法人 日本ゴルフツアー機構より記念のトロフィと、部門別表彰式の「ジャパンゴルフツアー表彰式2008」の会場でもあったANAインターコンチネンタルホテル東京より、副賞の『ディナー付き ペア宿泊券』が。
またバーディ率賞のブレンダン・ジョーンズにはやはり記念のトロフィと、株式会社 東急リゾートサービスより副賞の『ホテルハーヴェスト 1泊2食付き ペア宿泊券』が贈られました。