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日本オープンゴルフ選手権競技 2000

「一度は地獄を見た」

昨年大会、尾崎直道の戦いぶり

 直道は1番で1メートルのパーパットをはずして、3連続ボギー。首位でスタートしたときにあった、2つの貯金はあっさりと消えた。 「前日18番で、1メートル強のパーパットをはずしたことが頭によぎってしまった。参った。あと17ホールもあるのに…」
 5番で湯原信光に逆転され、9番終了時点では3打差。「一度は地獄を見た」と尾崎。
 ところが、10番からショットが冴え渡った。
 湯原が12番、13番で連続ボギーをたたく。
 湯原を再逆転。再び、展開は直道に大きく傾きはじめた。

 そして17番パー3で、ピン手前6メートルのカップ1個分のスライスラインを読みきってこの日の初バーディ。2打差をつけ「我を忘れて」何度も何度も、歓喜のガッツポーズだ。

 「8,9割はこっちのもんだって思った。ゴルフをやってきて一番興奮した場面だった」

 後半、不利な展開からのこの粘り。直道の持ち味を、最大限に生かして勝ち取った栄冠だった。

 2000年、65回大会はどんなドラマが待っているのか―。

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