Tournament article
キヤノンオープン 2010
小田龍一が首位タイに
12番では、「ガツンとパンチが入ってしまった」という上りの8メートルが、決まってくれた。
13番は、左のラフから50センチに寄せて、14番でもまた、8メートルの長いバーディパットをねじ込んだ。
インターバルを挟んで後半の9ホールは「ティショットが曲がりだした」と、雲行きが怪しくなったが幸い「アプローチが寄ってくれたし」。
1ピン距離のパーセーブをことごとくしのぎ、「耐えて」ボギーなしの66は、この日のベストスコアタイをマークした。
9月のANAオープンは練習ラウンドで一緒に回り、「スイングの基本を教えてもらった」という池田勇太を「先生」と呼び、敬う。
「ときどきひどいチーピンが出たりするのでドキドキしながら打っています。“先生”の教えまであともう少しですが、ひどい怪我をしないで済んでいます」と、いまも感謝の気持ちは相変わらずだ。
来週は昨年、あの石川遼を破ってツアー初優勝をつかんだ日本オープンが控えており、すでに今からビビっている。
人一倍、注目を集めることが苦手な男はディフェンディングチャンピオンとして、期待されることを何より怖れる。
「早く、来週の初日が終わってくれないか、と。それが過ぎればちょっと気持ちも落ち着くと思うのですが」と、なんとも頼りないが、それも前週の活躍で少しは軽減されるかもしれない。
昨年の初Vでバッグを担ぎ、アシストしてくれた弟の新さんがこのほど、晴れてプロテストに合格した。「僕よりも理論派。自分でいろいろと勉強して、早く自力でツアーに出てきてもらいたい」。
兄弟でのツアー参戦が実現する前に、兄も積めるだけキャリアを積んでおく。