Tournament article
The Championship by LEXUS 2010
小田龍一の難コース攻略の鍵はラジオ体操第一?!
沸き起こった大きな歓声にはわざわざギャラリースタンドに向き直り、習慣にしている脱帽で、深々と頭を下げて感謝した。
2日連続の60台とは裏腹に、「気持ち的には不安で不安でしょうがない」。
このオフは、オンプレーンのスイングを目指して、完璧に調整してきたつもりだった。
「でもいざ開幕したら、いつものくせに戻ってた」。
力んで手先で打つスイング。
いろいろ試しても、いっこうに良くならない。
試行錯誤を続ける中で、復調のヒントはラジオ体操。
毎日、夫の18ホールについて歩くけなげな優子夫人は、「朝なかなかすっきりと起きれない」と、目覚まし代わりの着メロを捜していて見付けた。
ラジオ体操第一は、地元の鹿児島弁バージョンだ。
「きっと、みなさんには何を言ってるか、分からないと思います」。
あのおなじみの音楽をバックに方言丸出しの掛け声は、何度聞いても笑ってしまう。
それに合わせて2人して、体操しながら大爆笑。
そのとき、ふと「これだ」とひらめいた。
「この脱力感を、スイングにも取り入れてみよう」と、思いついたのが「ゆるゆるグリップ」。
腕をだらーんと脱力させて、「足を使って体重移動だけで振っていく」。
それだけで、不安を完全に払拭出来たわけではないが、うっそうとした松林にセパレートされたここ大利根カントリークラブでも、なんとかスコアを組み立てていけるくらいに回復した。
「明日も、ラジオ体操するときみたいに楽しく回れれば」。
目下、おしどり夫婦のテーマソングが難コース攻略の鍵を握る。