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〜全英への道〜ミズノオープン 2011
クラレットジャグがやってきた!!
この「〜全英への道〜 ミズノオープン」はその最終戦。26日(日)の決着を前に、今年もはるばるイギリスから栄光の優勝杯が届けられた。
25日(土)に、英国ゴルフ協会の「ロイヤルアンドエインシェントゴルフクラブ(R&A)」のドミニク・ウォール氏(=写真左端)と、ドクター・スチュワート・ロイド氏(=同右から2番目)が“クラレットジャグ”を携えて、会場の岡山県はJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部にご到着。
最終日を前に、大会主催のミズノ株式会社の水野明人・代表取締役社長(=同左から2番目)に、無事手渡された。
さらに最終日には、水野社長の手から勝者に託される。
“クラレットジャグ”とは、全英オープンの優勝カップのことで、その昔、イギリスで行われたゴルフ競技会で、チャンピオンの栄誉をたたえるために、銀製の赤ぶどう酒用のジョッキを贈ったのが、原型と言われている。
世界5大陸で全英オープンの出場権をかけた予選会「インターナショナルファイナルクォリファイング(IFQ)」が始まったのが、2004年。
“全英オープン日本予選”がスタートしたのは、さらにさかのぼって93年。
全英オープンを主催するR&Aが世界中に門戸を開く、その10年以上も前から、日本ツアーに出場枠を設けてくださった。
「それだけR&Aが、日本を重視してくださっている証拠」とは、R&Aのメンバーで、本戦では競技委員をつとめる川田太三氏(=同右)。
クラレットジャグが今大会に寄贈されたのは、今から11年前のことである。以来、毎年この大会にR&Aの役員の方が来日して、直々に手渡されるのがならわしとなったのも、この“日本予選最終戦”から勝ち上がり、はるばるかの地に乗り込んでくるジャパンゴルフツアーメンバーの活躍を、心から願ってくださっているからこそである。
「そんなR&Aの思いに応えて欲しい」との川田氏の言葉は、日本で朗報を待つゴルフファンのみなさんの希望でもある。
ジャパンゴルフツアーに与えられた資格としては、今年もこの“日本予選”から6人と、昨年の日本オープン覇者と、昨年の賞金ランキングの上位2人の、計9人がリンクスに挑む。
今年は2003年以来、8年ぶりの開催となるロイヤルセントジョージズが、その舞台となる。イギリスはドーバー海峡に面したリンクスコースは、スコットランドに比べて気温が高く、そのため海風にさらされたフェアウェーはことのほか硬く、またいたるところに自然が作ったコブが点在する。
前回は、たとえナイスショットをしても、傾斜に弾かれラフに転がり出るアンラッキーがあまりにも多すぎたと、今年は数ホールでフェアウェー幅を広くする改善が取り入れられたそうだ。
ロイド氏によると「平均30〜40ヤード」だそうだがそれでもうねるフェアウェーに、安全に打てる箇所は実質20ヤード足らずというホールもあるそうで、その厳しさには変わりない。「あと2週間で、全体的にもっとラフも伸びてくると思います」と、今年も難条件をほのめかしたロイド氏。
また、ウォール氏は東日本大震災へのお見舞いも忘れなかった。R&Aは、日本のゴルフ16団体が推し進める「グリーンティチャリティ」を通じて、20万ドルの義援金を送ったことを明かし、早期の復興を願われた。
今年は特に、海外で戦うどの選手の胸にも、「今、日本のために」との格別な思いを持っての遠征となるはずだ。