Tournament article
中日クラウンズ 2011
リベンジを誓う朴星俊(パク・ソンジュン)が単独首位に
初めて味わう和合は、確かに「フェアウェーが絞られている上に、グリーンは小さく硬くて速い」。それでも朝はまだ名物の風もほとんどなかったし、前夜の大雨で芝が湿っていた。
「前半は比較的プレーしやすくてラッキーでした」と、6番までに一気に5つスコアを伸ばすなど、チャンスを生かした。
ダブルボギーを打ったのは、ついに強風が吹き始めた8番。
「最初はフォローと思ってセカンドで9番アイアンを持った」。と、その瞬間に風が真逆に変わった。「8番アイアンに持ち替えたら、打った瞬間にまたアゲンストに」。
バンカーに入れた。さっそく風に翻弄された。
「上空でくるくると向きが変わって本当に難しかった」と嘆息しながら「でも、その中でよく耐えられた」と、バック9は1アンダーにまとめて難コースで単独首位に立った。
10歳から7年間、ニュージーランドで過ごして英語はぺらぺら。「ゴメンなさい、でも日本語はまだ・・・」と申し訳なさそうに頭を下げた朴のキャップのひさしには、ハングルと日本語で書かれた「頑張ろう、日本!」のワッペンが。
開幕前に、他の韓国勢と話し合ってみな、揃ってこれをつけて闘うことに決めたという。ワッペンは、大会の地元・名古屋に住む友人が、きゅうきょ作ってくれた。
被災地を思って、朴もつたない日本語でつぶやいた。
「ガンバレ・・・!!」。
日本で闘う韓国選手たちの、精一杯のエールだ。
昨年のレクサス選手権で初日に首位タイ発進。しかし、2日目に崩れ、結局31位に終わった。さらにもっと悔しかったのは、10月にやはり愛知で行われたコカ・コーラ東海クラシックだ。
2日目に首位に立ち、決勝ラウンドの3日目は2打差の3位タイでホールアウトしながらスコアカードのサイン漏れで、失格をした。
アテスト中に、スコアチェックで18ホールついて歩いてくださったボランティアの方に、ボールをプレゼントしようと気が急いて、サインを済ませないうちに、うっかり部屋を出てしまった。優しい心遣いが仇となり、絶好の機会をふいにした。
「今回は二度と同じ失敗をおかさないよう。3度目の正直で頑張ります!」。
今季はチャレンジトーナメントの賞金ランキング7位の資格で参戦する朴が、伝統の地で飛躍を誓った。