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東建ホームメイトカップ 2012

小田龍一がホールインワンを達成

おどけてガブリとかじった記念のボールはすぐに愛妻の手に。
2012年のホールインワン第一号が、さっそく開幕戦の初日に出た。小田が16番は177ヤードのパー3で達成した。7番アイアンで打ったティショットは逆光で、行き先がまったく見えなかった。この開幕から3戦で、バッグを担ぐ予定の弟でプロゴルファーの新さんも、「大丈夫、近くに寄ったよ」と、全然気づいていなかった。
そのあと、ボールは本人たちも知らないうちに、ピンの右側から手前2メートルくらいに落ちて・・・。「入ったよ!」と、グリーン奥のギャラリーが教えてくれた。

ツアーで自身3度目の快挙は、何度見ても胸がすく。いつも全ホールついて歩いて、過去の2度とも目撃している妻の優子さんも喜んだ。記念のボールを愛妻の手に託しても、しかし本人の気持ちは晴れなかった。
「精神状態はやばいくらいに最悪です」。

胸躍るはずのジャパンゴルフツアーの開幕も、本人には気重だった。2月にふとしたことがきっかけで、アプローチがイップス気味に。「ひどいときには、50ヤードが乗らなかったり。クラブが刺さってチャックリばかり」。

それに伴いショットも不振に陥って、“先生”のもとに駆け込んだ。9つも後輩ながら、師とあおぐ池田勇太のもとを訪れ、いくつかヒントをもらい、開幕までそればかりを課題にしてやってきた。
不安も晴れないままのシーズン開幕も、弟の新さんと「結果は求めず、とにかくいま自分がやるべきことをやろう」と言い聞かせてどうにか迎えた上がりホールであった。

ホールインワンを挟んで14番から4ホールでの5アンダーで、一気に首位と1打差の単独2位に。
2012年初日の好発進にも「精神的にはまだまだ」と、沈んだ表情で言いつつも「あ、でも・・・」といたずら顔で、「僕が強気なときって、前からあんまりありませんけど」。09年の日本オープン覇者はそう言って、へへへと笑った。

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