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つるやオープンゴルフトーナメント 2012

小田龍一が単独首位浮上

師匠が辛くも初の決勝ラウンド進出を果たした大会で、弟子が単独首位に躍り出た。池田勇太に「授業料くれよ」と冗談を言われても、こう立て続けば当然だ。先週の開幕戦は初日にホールインワンのおまけ付きで単独2位フィニッシュ。

そして2戦目の今週は2日目の17番パー5だ。スプーンで打った232ヤードがピンに当たるあわやアルバトロスのイーグルで首位に並んだと思ったら、最後の18番はチップイン。

グリーンの手前から20ヤードのアプローチは、いまもっとも恐れるショットだ。
オフにイップスにかかった。「チャックリを怖がって、逆にトップをしたり。その繰り返しで」。鹿児島種子島出身ののんびり屋は従来どおり、今年の正月は大好きな芋焼酎の瓶を片手に、ゆっくりと過ごした。

一昨年前から“弟子入り”した9つ年下の師匠には「ハワイに来いよ」と、合宿に誘われたが断った。
「勇太と自分では、収入が違うし海外は金もかかるし」とはなかば冗談にしても、2年前のオフの反省があったから。

やはり池田に誘われて、いつになくオフに精力的に過ごしたら、無理をしすぎて調子を崩したという経緯があった。
「今年はマイペースにやろう」と、いくつかの地区オープンに出場して試合感を持続させる程度にとどめ、本格的な打ち込みものんびりと、3月の声を聞いてから。

「それにしたってあまりにも休み過ぎたから、感覚がおかしくなったのかも」とアプローチに異変を感じて慌てて池田のもとに、駆けつけるしかなくなった。
池田も「本当にパラパラだった」と振り返るアプローチは、ショットも含めて池田に対処法を伝授され、「ひたすら言われたことをやるだけ」と、頭では分かっていても「やっぱり怖い」。

そう恐れるまでもなく、この日は最終ホールでふわりとあげたボールがカップに沈めば、さすがのマイナス思考にも、一筋の希望がさした。
「少しずつ良くなっている。あとは自信。自分がやるべきことを出来れば結果はついてくる」。
17番のイーグル賞の大分麦焼酎「二階堂」1年分も、残念ながら表彰対象は翌土曜日から2日間の決勝ラウンドのみと知っても、「いや自分は“芋”が好きなので」と、いたずら顔でさらりとかわす余裕も出てきた。

池田は、このつるやオープンは特にここ山の原のグリーンが苦手で、デビューの2008年から昨年まで4年連続の予選落ちの憂き目もようやく返上で、今年初の決勝ラウンド進出も「ぎりぎりじゃあね」と、苦笑する41位タイ。
その一方で、「自信がない」とうわごとのように言う弟子が、ふたを開ければ師匠をはるかに見下ろす2週連続の優勝争い。
先週もぼやいていた。「俺が教えて俺より上に行かれたらたまんないな」との池田の声が、今週も聞こえてくる活躍となりそうだ。

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