Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2013

大勢の応援に支えられて、小田龍一が5位浮上【インタビュー動画】

今年はとてもゴルフに集中出来ない状況が続く中で、小田がようやく少し、元気を取り戻してきた。先週から2週続けて、久しぶりにバッグを担いでくれた弟の新(しん)さんが、一縷の望みを与えてくれた。

プロゴルファーで、来月にはついにファイナルQTの受験を控える新さんは、「本当は、俺のことどころじゃないのに」。苦しむ兄を見かねて、自身の練習も返上して支えてくれる。
今週は新さんのアドバイスで、「今までとはガラっとイメージを変えて、スイングしている」。兄に的確なダメ出しは「こうしたほうがいいよ、と」。

詳しい内容は企業秘密だそうだが極端な変更は、「やっていて、自分でもふざけているのかと思うくらい」。それくらい、ユニークなスイングチェンジは「それくらい思い切り変えないと、今の僕はどうにもならないので」と兄も納得ずくで、「今週はあまり球も曲がっていない」と、1打差の単独5位に踊り出た。

今年は開幕直前に、最愛の父・修さんを亡くして、しばらくゴルフにも集中できずに「ショットもパラパラ」。ようやく底なしの悲しみが癒えてきたと思ったら、そのあとは度重なる体の不調に苦しめられた。

夏場は記録的な猛暑の影響か、体調不良で棄権。さらに9月はコンタクトレンズで角膜に傷がつき、目を開けていられなくなった。
さらには、秋にかかった副鼻腔炎は重症で「ボールを拾おうとかがむと、頭がクラっとする」と災難続きだ。

2009年の日本オープンで、石川遼を破って悲願のツアー初優勝を達成したあの大金星も、脳梗塞で倒れて当時すでに闘病中だった父にも、勇姿は見せられないまま逝ってしまった。
それだけに、早く墓前には良い報告をと思うが皮肉にも、今年は賞金シードの確定にも、まだほど遠い(現在ランク147位)状況とあっては・・・。

そろそろこの悪い連鎖を断ち切るには、ふるさとに近いここ宮崎は、うってつけの地である。
鹿児島県の自宅から、車で1時間半ほどのコースは、「毎年、たくさんの方が応援に来てくださって」。それを力に、今大会は2005年の初出場から9年連続の出場で、今だ予選落ちゼロ。
「そのかわり、上位にもほとんど行っていないのですが」と苦笑いの最高位は2009年の7位タイも今年こそ、ここでの自己ベストを塗り替える活躍で亡き父のみならず、地元のファンの恩にも報いてみせる。


関連記事