昨年の「マイナビＡＢＣチャンピオンシップ」で悲願のツアー初優勝をあげて、初参戦を果たした世界ゴルフ選手権。「ＨＳＢＣチャンピオンズ」で、最終日に回ったダスティン・ジョンソンの球筋が、羨ましかった。

米ツアーきっての飛ばし屋は、「見事なハイボールに、僕もそんな球が打ってみたい」と、さっそく自分もマネをして打ってみたのだが、どうにもしっくり来ない。

米二部ツアーで戦っていた時代は、リーも常にドライビングディスタンスのトップ10に入るほどだったが、飛距離よりも正確性にこだわるようになった今は、ジョンソンと同じようなスイングをしてみても、まずボールが芯に当たらず、右に左にショットが暴れて「自分には合わないんだと分かったんです」。

そう気がついたのは最近で、今週は本来の弾道の低いボールでコースを攻めている。「だから風にも負けないショットが打てている」と、持ち味を取り戻して好発進。

韓国系アメリカ人のリーには、ここザ・ノースカントリーゴルフクラブは、寒冷地特有の洋芝も手慣れたもので、しかも広々としたコースは美しいロケーションに、ほれぼれとしながら改めて思う。

「北海道が大好きです！」。
寿司に、焼き肉。「どれも食べ物が新鮮なので。あ、もちろんジンギスカンも好きです！」。
美味しいものがありすぎて、リーには非常に悩ましい。
「ついに大台に乗ってしまって…」。身長190センチの大きな身体を縮めて恥ずかしそうに打ち明けた。このほど、体重が103キロ。２００８年に初来日したときは、まだ92キロだったから、あれから軽く10キロ増に、「日本はほんと、何を食べても美味しいから困ります」と悲鳴を上げた。

• Ｈ・リー