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東建ホームメイトカップ 2014
新・兄弟プロ見参
今週は、自宅通勤。住まいを構える名古屋市内から、会場まで車で約50分の“ご当地プロ”は「昨年はやっと1勝出来たので。今年は2勝目、3勝目に向かってアタックしていく」と力をこめた。
そんな宮里兄弟に続いて今年、また新たな兄弟プロが男子ツアーに誕生する。
2009年に日本オープンを制した小田龍一。兄のキャディを長年にわたり、つとめてきた8つ下の新(しん)は、この開幕戦がデビュー戦。
昨年のファイナルQTは6度目の挑戦にして、自身初のファイナル進出。4日間の予選を突破して、計6日間の長丁場はランク85位に終わって、今季前半戦の出場権獲得、とはならなかったが今週の月曜日にきゅうきょ、主催者推薦をいただけることになったのだ。
実は、今週は兄のキャディをつとめるつもりで、自分のキャディバッグは次週のつるやオープンの会場にすでに発送済みだった。「来週はマンデー(トーナメント)から挑戦しようと思っていたので」。それが、いきなりこの開幕戦がデビュー戦となることが決まって大慌てだ。
同時に襲ってきた極度の緊張感。「2日ほど夜も眠れなかった」と笑う。
兄のバッグを担いで12年あまり。「やれる、できる、と常に強気に言ってきたのは、僕の方だった」。しかし、いざ同じステージに立つことが決まって、「横でただ言うのと、実際に自分がやるのとでは全然違うと分かった」と、この日は本番前の“偵察”のつもりで1番ティを観戦しにいくと、すでにプロアマ戦から1番のスタンドに鈴なりの大ギャラリーを見て、身も縮む思いがした。
萎縮する弟に、「緊張するのは仕方ない」と言ってくれた兄。
「それでもその中で、自分のやるべきことをやればいいんだ」と言われて、少し落ち着いた。キャディの立場では見慣れた景色のここ多度も、いざ選手として立つとなれば、全然違う場所にすら見えてくる。
「強い風も、高速グリーンも、実際に自分がここでプレーするとなると実際以上に難しく感じてしまいそうで」と前日の火曜日の練習ラウンドも兄と、兄が師匠と慕う池田勇太とともに、恐る恐る出ていったが、10番からの1打目はどうにか真っ直ぐ行って、ほっとした。
「とにかく明日は、雰囲気にのまれないように・・・。結果を求めず、ただ自分がやれることに専念して頑張ります!」。
今週は、キャディポンチョを脱いで本来の“勝負服”で挑む小田。きゅうきょ、プロへの転身(?)に“キャディ仲間”からも、冷やかしの声を浴びて「自分でも、なんだか落ち着かないんですよ」と笑う初々しさ。新人プロのデビュー戦にもぜひご注目を!!