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THE SINGHA CORPORATION THAILAND OPEN 2015
6位タイのヒロシが主催者への感謝の気持ちを
2日目から中断に次ぐ中断で、大会は波乱の展開の中で、ヒロシのゴルフもなかなかのもの。「僕は波が激しいので」と、いつものように、うつむき加減にへへっと笑った。
1日10アンダーをマークしながら、「本当ならまだ取れた」と欲張った。最終日もまた同じで「もうちょっと伸ばせた」と、2番で絶好のチャンスがカップに蹴られたのが痛かった。
スタートの1番で、強気に打った4メートルがカップに沈み、その流れでまた2番も「強くなっちゃった」と、6番や7番や10番も、惜しいのを外して「入らないにしても、僕の中ではこうというのがなんかある。それがストレスになった」。
2打目が狙い目よりも、横幅に2ヤード前後、消極的だと気づいたのが前日3日目。「今日はアグレッシブに。そこを意識したから今日は、たくさんチャンスにつけられたので」。それだけに、余計にグリーン上では鬱憤のたまるラウンドになった。
優勝争いには及ばなかったが、心に残るタイでの4日間となった。
あまり表情や言葉に出さない選手だが、実は内心、大会のホスピタリティに感動していた。この日最終日は、いつでも食べ放題の選手ラウンジで、日本のそうめんが振る舞われた。「そうめん」と書かれたビニール袋を破って、乾麺をゆでて、ちょっと甘めのつゆと、わさびとしょうがとねぎが添えられるという懲りようは、日本ツアーとの共同主管を意識した心配りがヒロシの琴線に触れた。
毎朝、味噌汁と納豆と梅干しも欠くことはなく、「日本食まで用意してもらって。何の不自由もなく過ごせた」と感謝した。
微笑みの国タイの人たちの明るさにも、思うところがあった。中断続きの展開も、どこかゆっくりと流れていく時間。「こういう過ごし方もあるんだ、と。みんな陽気だし」。
自分のプレーにはイライラしたとは言いながら、日本でいるよりヒロシはタイのコースでよく笑った。いろんな意味でも、「海外での試合は刺激になる」。最終日には、ティショットで掴んだものもあったそうで、「これが、今後の良いきっかけになってくれたらいいなと思う」。
すぐ近くのパタヤビーチのような大波ゴルフも、今後は出来るだけ穏やかにして「もっと安定感のあるゴルフを」。タイで見つけたヒロシの課題だ。