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ミュゼプラチナムオープンゴルフトーナメント 2015

眞弓明信さんはほろ苦デビュー戦

61歳にはほろ苦いデビュー戦になった。元プロ野球、阪神タイガースの眞弓さんは、新規開催のミュゼプラチナムオープンで、レギュラーツアー初参戦。記念の初日は、しかし85を打って通算14オーバーは最下位・・・。

最後の9番は、3メートルのパーパットをしのいで拍手を浴びたが「半分、諦めて打ったのが入った。1番、9番、10番、18番はいいんだよ」と、さすが不動の1番バッターは、観客がもっとも集まる場所でははつらつと、「でも、あとはぼろぼろ」と、苦笑いだ。

「パットが入らんかった」と、肩を落とした。「最後みたいのが3つ4つ、ころっと入ってくれれば変わったのに」と、地団駄を踏んだ。
それと、足首まですっぽりと埋まる深いラフは、朝の大雨でいっそう重みを増して、「ボギーでもいいと、最初からサンドウェッジで出せばいいのかもしれないけれど。やっぱりね、無理をすると全然出ない」と、16番ではいわゆる“素トリ”。

後半の7番ではOBを打って、またもやトリプルボギーを打つなど、「プロとアマチュアの1打は5ヤード、10ヤードの差。プロは5ヤードのミスで収まるけど、僕らは10ヤードでラフに入る。ラフからアプローチをして、僕らは乗るには乗るけどプロは1パット圏内につけられる。その差が18ホールで、ものすごい差になってくる」。本職の野球解説さながらに、この日の敗因を緻密に分析。

2009年から3期、阪神の監督をつとめた闘将は、しかし諦めない。
「もっとやれた。まだもう1日あって良かった」とさっそく翌朝は、7時から出る第2ラウンドの策を練る。「プロのみなさんは、よくフェアウェイにさえあればいいと言われるけれど。この難しいセッティングでは本当に、たとえ距離が残ってもフェアウェイにあったらパーも拾っていける。明日は、そういうところをやってみたい」と、どんなに打たれても、しぶとく挽回の可能性を懸命に探る。

ユニフォームを脱いでから、大阪サンテレビのレッスン番組にも出演するなどゴルフに打ち込み、2013年の北海道オープンではベストアマ。同年の日本シニア選手権では13位に入るなど、その腕前は野球出身者の中でもかなりのもの。このままでは終わらせない。
「明日は、70台では回りたい」と、奮い立つ。目を輝かせて、「難しいセッティングも含めて楽しい。トラブルも普通のトラブルじゃないし、面白い。ゴルフやってるって、感じがするよね」と、2日目も根っから勝負師の血が騒ぐ。

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