中島は、バンカーから寄せた3メートルのバーディチャンスが決まれば9位入賞。直近トップ10の資格で次々週の米ツアーにも出場できていた。
久常は3打目だ。右手前ラフから58ヤードのアプローチは、番手に迷った末、緊張からミスをしてすぐ目の前のバンカーへ。4打目でやっと乗せた3メートルのパーパットを逃して泣いていた。
中島が、今も反省するのは昨年の18番で5ウッドか、4アイアンかで迷った2打目。
「セーフティに5番ウッドを選んで難しいバンカー入れてしまった。もし同じ状況になったら今年は攻めの姿勢で挑みたい」と、今年は逃げない。
プロ転向後のPGAツアー初出場となった昨年は、日本開催といえども「難しいコースで、不安を持ちながらプレーをして、2日目にたまたまいいスコアで週末を迎えられたのかな、と思う」と、偶然みたいな結果と考えるが、2年目の今年は、賞金2位で大会に入ってきた。
「数字でいうと、去年よりショートゲームがよくなっている。精神的にも最後まで粘り強くプレーできたりとか、去年と変わっているところはたくさんあると思う」と、成長を実感している。
「難しいコースでプレーするのは楽しみですし、いつもより良いパフォーマンスを出せるように気持を入れて頑張りたいと思います」と、昨年よりあきらかに自信を持って挑める。
また久常が、欧州・DPワールドツアーの予選会を受験したのは、昨年大会で悔し涙を流してすぐ翌月。
7位で突破し、転戦を始めた今季、先月9月の「フランスオープン」で初優勝した原動力こそ、昨年の本大会に「ある」と断言。
「去年は本当に良い位置でプレーしていたからこそのプレッシャーもありましたし、それに耐えきれなかった自分が去年」と語り、「今年は少し成長した姿をお見せできればいいな、と思います」と、リベンジに意気込む。
19歳での初出場となった一昨年はメーカーさんに懇願し、間に入ってもらって松山英樹との初・練習ラウンドを実現させたが3年続けて主催者推薦をいただいた今年は「一人で黙々と。はい、もうしっかりしないと!」と、自分にムチ打つ。
ちなみに中島は今週、松山と久々の対面で「パット変えたの?」と、聞かれたそうだ。
確かに、先週から元のブレードタイプに戻してプレー。
「よく見ていてくれてるんだな・・・」と、嬉しそう。
予選ラウンドで回ることになった豪州のミンウー・リーは、先週のアジアンツアー「SJMマカオオープン」で通算30アンダーを出して優勝を飾った。
「彼とはナショナルチームの頃にオーストラリアでプレーしていて。今週、一緒に回れるのが楽しみ」と、ワクワクする。
また久常も、初日から回るデンマークのニコライ・ホイゴールと高校時代のジュニア試合で対戦。
「その頃から彼がずっと先を走っていた。少しは近づけたかな、と思いますがまだまだ遠い存在。今週は彼にも負けないように頑張りたい」と、若者たちは“ホーム”のPGAツアーでライバルたちと切磋琢磨する。
「昨年よりいいプレーしたいですしチャンスをいただいているので優勝目指して頑張りたい。カードをゲットできるなら、すぐにPGAツアーでプレーしたいと思います」(中島)。
「去年悔しい終わり方だったので、今年のモチベーションはずっとこの大会のためにありました。一番頑張りたい大会。出させていただいてありがたいですし、結果で返せるように頑張りたい」(久常)。
昨年、日本勢最上位に入った中島と久常の今年が楽しみだ。