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マイナビABCチャンピオンシップ 2018
香妻陣一朗が“同窓会”で久々の決勝進出
休暇週を利用して、初日から弟の応援に駆けつけた琴乃さん。
「見に来て、これでまた予選落ちたら二度と来ないと思っていた。大二郎も今日は3アンダーで回ったので。見に来て良かった」。
香妻と、琴乃さんと、初日から一緒に回った出水田と、共に横峯さくらさんの父・良郎さんが起ち上げた鹿児島のゴルフ塾「めだかクラブ」で育った。
幼なじみの3人は、まず今年、出水田が初優勝を飾ると、それに発奮した琴乃さんも、それからほとんど間を置かずに、女子ツアーで初V。
娘の快挙に泣きながら、電話をしてきたお母さんにつられて「僕も泣いてしまった。自分もそれくらい、親を喜ばせたいと思った」と姉の優勝は、家族としてただただ嬉しいだけだったが出水田の初Vも含めて、今季快挙が続く地元九州勢の活躍には「もちろん刺激は大きい」。
それで焦ったというのではないが、「自分では、そんなに思っていないつもりだったが『次はお前』と言われると、『勝とうと思って勝てるなら、もう勝ってるよ』と」。
大事な秋口から予選落ちが立て続けば、そんな思いもますます募った。
現在ランク69位の賞金シードのことまで考え始めると、思うようなゴルフが出来なくなった。
「練習ラウンドでは良くても試合では、いろいろ考えてしまって変なイメージが出てしまう」。
特に1Wの悩みが深くて「左に行きたくないから、今度は右に曲がる」と悪循環が続いて失いかけた自信もなぜかこの日の同窓会で、あっけなく解消されてしまった。
出水田とのこの2日間は「練習ラウンドみたい」と、リラックス。
「今までゴルフのことばっかり考えていたのがなくなり楽しく回れた」。
ロープの外で見守る姉も「私にはそんなに悪いようには見えなかった。アイアンも、ほぼ思った通りに打てているし、このまま試合を重ねて良いイメージを重ねていってくれたら」と、思いやりを寄せた。
周囲が次々と優勝を重ねていく中で、自分も勝ちたいという弟の気持ちもよく分かる。
「でも弟には弟のタイミングがある。私自身も、同級生が勝って行く中でなかなか勝てない時期があったが自分には、自分のペースがあるから。別に(優勝は)今年でなくてもいい。弟にも常にベストを尽くして自分のゴルフだけを意識してもらえたら」。
競技後の練習場では、今度は弟が姉にパットのアドバイスをする場面も。
めだかの姉弟には収穫の多い同窓会となったようだ。