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カシオワールドオープン 2018
シード権争いの香妻陣一朗が見据えるもの
画面の上部にある「賞金ランキング」と表示されたボタンをポチっとすれば、最新のスコアに合わせて賞金を加算したランキング表が、赤いボーダー線付きで見られる。
しかし、今週の賞金ランキングは73位の“圏外”からシード権の確保に挑む香妻は、この日も「何のチェックもしませんでした。見なかったというのもあれですけど、見るのを忘れていたという感じで…」。
というか、そもそも香妻は、その仮想ランキングが「どこに出ているのかもわからなかった」。
端末の操作法を知らないし、たとえ知ったとして「見ても、何も変わらない」。
あくまで仮想は仮想でしかない。
それより目指すべきものがある。
この日3日目は、やはり“圏外”からのシード権を狙う北村と、古田と奇しくも同組ラウンドにも「そういう空気感も気にしなかった」。
周囲を気にするより香妻が、目指しているものはあくまで優勝。
「せっかく良いところでプレーできているので。シード権を考えるより、上を目指していかないといけない」。
この日5アンダーで迎えた最後の18番も攻めた。
右斜面のラフから3Wで果敢に、「グリーンの右さえ狙っておけば、右手前から転がせるから。狙いどおり」とグリーン手前のラフに運んだ3打目を、2メートルに寄せてバーディで締めくくった。
これで、3日目終了時点の仮想ランキングは、54位に上がった。
大逆転のシード権がくっきりと、見えてきた。
でも、13人の初V者が居並ぶ今季、やはり女子ツアーで初優勝を飾った2つ姉の琴乃さん以上の刺激をくれたのが、幼少期から一緒に頑張ってきた出水田だった。
「大二郎くんが勝って、自分もやらなきゃという思いになった」。
8人タイの2打差の2位から挑む大混戦の最終日に香妻が見据えるのは頂点だけ。
「明日もティショットをガンガン振って、攻めていきたい」。
最終日も、やっぱり端末を見ないでコースに出たい。