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中日クラウンズ 2018

宮里は小平、石川との初日同組に

賞金王が帰ってきた。昨晩、24日の夜8時に名古屋の自宅に着いた。「着くなり、なぜか相撲を挑まれた」と、時差ボケの体で、久しぶりに長男優吾くんの体重を受け止めた。

以前からの夢だった欧州ツアーの転戦を始めた今季は、これが国内初戦。
初出場を果たしたマスターズから、スペイン、モロッコを旅してきた。

欧州ではこの2試合だけでも、色々あった。
スペインの空港ではロストバゲッジ。
「直行便なのに、クラブが届かないってどういうこと?!」。
おかげでぶっつけ本番の初日に苦笑いだ。
最終日は、優勝もねらえる位置から出たモロッコの大会では「英語も通じず、フランス語だけ。コミュニケーションが難しかった」と、毎日が「カルチャーショック」の連続だ。

「日本はコースもきれいだし、本当に便利で。キャディバッグが届かないなんて、まずない。でも(欧州では)毎週、国が変わり、風土も変わり、そこに合わせていかないといけない中で、精神力も体力もタフになる。力量を試すには凄く良い。今の自分には必要」と、苦労以上の「やりがい」がそこにはあった。

「(日本では)起きたら(欧州では)お休みという時間帯」と、まだまだ体は慣れぬが昨年覇者として、初日からさっそく豪華ペアリングに挑む。

この日のプロアマ戦は、早朝の豪雨にあいにく9ホールの短縮も、ハーフで上がればサインを求める誰の手にも、大会のピンフラッグが握られていた。

海外転戦中も、元選手会長は何も心配していなかった。
むしろ「作戦通り」と自分は留守にした国内2戦で、すでに描いていた通りの展開になっていることを喜んだ。
次期選手会長に、誰よりも石川を推したのが優作である。
「石川くんなら絶対にやってくれると思っていた」。
石川の発案で、販売を始めた大会ごとのピンフラッグは、米ツアーではすでに当たり前の光景だし、「石川選手が以前から、日本ツアーをいかに盛り上げていくかを考えてくれていたことも知っていたので」。
他にもホールアウト後の公開インタビューなど、毎週イベント満載の男子ツアーはいずれも昨年増の観客動員数を記録しており、元選手会長としてただひとつ気がかりなのは「石川くんはマジメなので。頑張りすぎて後半、息切れしないかどうか」。

今週は新選手会長と同組で一緒に、初日から盛り上げる。
またあの快挙を聞いたスペインでは、ひっくり返るほど驚いた。小平の米ツアー初制覇は、かねてより見てみたいと思っていた闘牛観戦から帰って知った。

「凄いビックリして・・・サトシが勝ったって、何の試合なのか、って。何が起きてるかもわからない。すげすげすげ〜、とんでもなことが起こったぞって、一人で騒いでた」。
初日はその小平とも一緒だ。
「日本ツアーでやってきた選手も志次第では世界で通用すると証明してくれた。サトシが道を切り開いてくれた」。
賞金王は2人の若手に絶大な感謝と敬意を払いながら、国内初戦を迎える。