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日本プロゴルフ選手権大会 2018
喪章に込めた思い。健闘を誓った選手会長
「あれを入れて、10番のティショットからけっこういいものをつかめたと思ったんですけど」。
イーブンパーのまま、こらえて迎えた最難関の17番で、大叩きをした。
「フォア−」と叫んだティショットは、右に大きく跳ねて、OBゾーンに消えた。打ち直してラフからの3打目はまた奥のラフに転がり落ちた。1.5メートルを外してトリプルボギーとした。
「あそこは下と上の風が違っていて・・・。でも今日、悪かったのはあそこだけだし悪いクセが出かけたときにも今日は修正できたので。昨日よりはそんなに悲観はしていない」と、気丈に言ったが通算3オーバーは33位タイまで順位を下げて「見に来てくださっている方をがっかりさせちゃうプレー。そこは凄くもどかしい・・・」と、歯がみした。
この日、スタートの1番では一人静かに黙祷の目を閉じた。約1分間に思いを込めた。
前日11日に、石川も親交が深かったプロカメラマンの内田眞樹さんの訃報を受けて、「ゴルフ界に多大な貢献をしてくださった方。恩返しのためにも、出来ることはやりたい」とご遺族も含めて石川自ら関係各所に話をして歩いて、この日は皆で喪章をつけて、プレーすることに理解を求めた。
選手やキャディ、関係者のキャップやウェアにたなびく黒のリボンに「男子ゴルフ全体で、内田さんへの気持ちを表すことが出来た」と安堵した。
今週もまた、選手会長としてのみならず成績でもリーダーシップを取りたいところだったが終盤ホールの大叩きで、遠のいた感があるVチャンスも「まだ明日もある。自分のやることをやって、ベストを尽くすしかない」。
内田さんは、人の心を揺り動かす数々の写真でツアーを盛り上げてくださった。
「ご自身もゴルフがお好きな方だったので。ゴルフ界が盛り上がっていくことが、一番の恩返しなのかなと思っている」。
最終日こそ、亡き恩人にも届く感動ゴルフで報いたい。