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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2018
星野陸也がお立ち台
石川遼が、大観衆に向かって自分をべた褒め。
「僕のプレーより、陸也のプレーを見たほうがよほど一見の価値がある」と、言われてブンブンと首を振りつつ、「光栄です」と、謙遜しきりだ。
それでも賞賛の声はやまず「陸也は飛ぶだけじゃない。球筋もきれいですし、僕は完全に負けてます」と、そこまで言ったところでぽろりと「こうやって、褒めころすというか」と石川の冗談で、一気に場が和んだ。
この上ないPRの舞台を用意してもらって、“和製リッキー”の名前を売った。
ジュニア時代から、何かと目をかけてくれた。
プロ入り後も、同じマネジメント事務所で可愛がってくれる。
その石川が今年、史上最年少の選手会長に就任して、その多忙さに、星野も目を剥くばかりだ。
「遼プロはめちゃくちゃ忙しいのに、その中で自分の時間を作って、やることやって、先週は優勝争いもされていた。本当に凄いなと思う。尊敬している」。
弟分として、また同世代の選手として石川の一助になりたい気持ちで一杯だ。
「僕もファンサービスをしっかりやって、結果も出さないといけない。上位に行って、自分も盛り上げられるように頑張りたい」。
首位タイから出た2日目は前半、耐えて大事な終盤ホールでスコアを伸ばした。
「悪くなると、プレーが速くなる。バーディ狙いで、ピンを攻めて、自滅したりする」。
歩行も早くなり「ボールのところに速く歩いていって、早く打ちたがる」とは、専属キャディの出口伸太郎さんだ。
メンタルトレーナーの資格取得を目指している出口さんは、そんな星野のクセを分かっていつも、やんわりとたしなめてくれる。
片山のバッグを担いだ経験もあり、メンタル面やコースマネジメントなど培ってきた経験を、惜しみなく若い星野に教えてくれる。
会場の行き帰りの車中で、1対1のミーティング。
「陸也には、悪いときこそピンに対して視野を広く持つように伝えている」。
その日良かったところ、悪かったところ。
いくつフェアウェイキープして、パーオン率はいくつだったか。
「その時の風、足場の状況。すべて書き留め、その結果を陸也に伝える」。
出口さんが数字や図にして“見える化”したデータが、21歳の若いゴルフを支えている。
一昨年に、やはりここ茨木カンツリー俱楽部で行われた「アジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップ」で2日目に66を出して2位タイにつけたが3日目に74で失速した。
「今日のスコアを伸ばして2日目も、トップに立てたのは、初めての体験。少しは成長したな」と、本人も頷いた。
石川には「行けるときに行っちゃえ」と言われた。
「1勝と言わず、陸也はどんどん勝って欲しい選手の一人」と、尊敬する先輩の期待も背負って、気合いが入った。
この日、66を出して5打差に迫ると「陸也と最終日最終組で回りたい」と、言った石川の挑戦も堂々と受けて立つ。
「頑張ります!」。
たとえ憧れの人でも、コースではもちろん遠慮しない。