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トップ杯東海クラシック 2019

2度の賞金王と2度の大会制覇。51歳の伊澤利光が、あれから20年後の記念大会で何を思う

01年、03年に2度の賞金王。ツアー通算16勝、大会は98と01年の2勝。01年のマスターズでは、当時日本人最高の4位に入った。きってのスインガーと呼ばれ、アーノルド・パーマーにも「キング・オブ・スイング」と絶賛された。かつては米ツアー制覇も夢ではない、と言われた。51歳になった伊澤利光が50回目の記念を機に久しぶりに大会に戻ってきた。

9月30日の月曜日には倉本、片山、石川遼らと歴代覇者による、メモリアルマッチに出場。模様は、5日土曜日の午前10時25分から11時25分に、東海テレビで放映される。

周年ウィークをさっそく盛り上げたらいよいよ、3日から始まる本戦は、昨年6月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」以来となるレギュラーツアーだ。
大会は、一昨年以来の出場。
「今週は、久しぶりの試合でなんとか4日間プレーしたいという思いでいっぱい」。

かつては一時代を築いた男が、「心が折れた」と言って、一時期、第一線から姿を消したのは12年。
それから約3年半のブランクを経て、復帰した17シーズンは21試合に出て予選通過を果たしたのは、やっと最後21試合目の11月、カシオワールドオープンだった。
レギュラーツアーでは、復活を果たせないままいよいよ50歳を迎えた昨年から、シニアツアーを主戦場としている。
レギュラーツアーと違い、”新人”がもっとも有利と言われるフィールド。
「すぐに勝てると思っていたが、こちらのほうでもなかなか…。思うような結果は」と、昨年のファンケルシニアの4位タイが最高。

それでも勝つための努力は怠らず、最新式の体重計に乗れば「体内年齢36歳と出た」と、喜ぶ。
久しぶりに帰ってきた三好は「あの頃から難しかったけど、ではいま、通用しないかといえば、そうは感じなかった」。
火曜日の練習ラウンドではブランクによる落胆こそなかったが、98年の大会初制覇からちょうど20年目。

思えば紆余曲折の中で、ずっと伊澤が格闘し続けてきたものは、パーシモンからメタル、チタンへと著しく変遷を続けた道具の進化だったのかもしれない。
「うまくついていけなかった…。そういうのを今も、自分は引きずり続けているのかもしれないね」。
いよいよ本戦の開幕を前日に控えて「不安半分、期待半分。そんな心境かな」とつぶやいた歴代覇者の賞金王は、セルフバックで練習場へと最後の事前調整に向かった。

<伊澤利光>
1968年3月2日生まれの51歳。神奈川県出身。
父の指導で小2からゴルフを始め、名門・日体荏原高から日体大へ。3年時に日本学生に優勝。
89年のプロ転向後に、渡米。下部ツアーなどを回り、腕を磨いた。93年に帰国後、95年の日本オープンで初V。
01年には5勝をあげて、ツアー最高額の2億1793万円で賞金王に。03年に2度目の賞金王。ツアー通算16勝を重ねたが、12年に体調不良や不振などを理由に離脱。約4年のブランクを経て、16年に戦線に復帰。昨年からシニアツアーを主戦場にする。

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