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中日クラウンズ 2019
石川遼が棄権
腰痛の再発で81を叩いた前日の初日は、どうにか回り切った。
明けて2日目も「万が一、なにかの拍子でできるようになるかもしれない…」。
大会は60回を迎えた令和最初の幕開けに、穴をあけたくない。
その執念も、6時半ごろコースに着いて、いったんロッカーに入ったが、すぐに険しい表情で出てきた。
石川が、ツアー競技の途中でプレーをやめて、帰る「棄権」を選択したのはこれが初。
まっすぐ練習場に向かった。
この日も一緒に回るはずだった、ジャンボ尾崎に「本当に申し訳ありません」。
記念大会の豪華ペアリングを、石川自身が一番楽しみにしていた。
「昨日もジャンボさんに素晴らしいプレーを見せていただきましたし、…残念です」。
2人の立ち話にトップアマの金谷拓実さんも加わり「本当にごめん…」。
今年のマスターズで日本人アマとして、松山英樹に次ぐ2人目の予選通過を果たしたばかりの金谷さんとの予選ラウンドも見られず帰る。
「早く治せ」と、送り出してくれたジャンボ。
クラブハウスで頭を下げた主催者にも「無理はしないで」と、逆に気遣われて恐縮した。
「クラウンズに向けて全力でやってきたつもりだったんですけど、昨日も不甲斐ないゴルフになってしまい本当に申し訳ありません」。
先々週の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」は開幕前にとりやめる「欠場」をして、安静と治療につとめてきたが、間に合わなかった。
初日の8番ホールのティショットで再発した痛みは「肉離れなのか、ねじっちゃったというか、ひねっちゃったというか。ゴルフのスイングは、ひねる動作なので。そういう表現は、おかしいんですけど急性的に、そんな感覚になって、炎症が起きていたと思うんですけど、そこから2時間以上プレーしたってこともありますし」。
前夜はアイシングの治療と、かかりつけ医にきゅうきょ宿に遠征してもらって看てもらったが「治りきらなかったという感覚と、むしろ今日起きたときのほうが厳しくて。ボールが打てる感じがしない」。
苦渋の決断を下すしなかった。
「どれくらいかかるは、分からないですけどプレーするだけじゃなくて、勝たないといけない。1日でも早く、治していきたい」と振り絞り、令和最初の和合を降りた。