Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2020
宮本勝昌は、コロナ禍で見つけた御殿場の新たな魅力をいかに、伝えるか
「あれだけ回らせていただきながら、オーバーパーなんか打ったら、支配人に謝りに行かないといけないところ」。
自宅からここ御殿場コースまで、車でわずか15分。
コロナ禍で、戦いの場を次々に失って、すぐの頃から練習場として、使わせていただくようになった。
「例年はこの大会と、あとは12月にイベントで何度か回らせていただく程度」。
ここ御殿場市に居を構えて早16年が経つが、普段は連戦で、ほとんど地元にいない。
「春、夏、秋、冬…。御殿場コースの四季を今年、初めて見ました。新緑の時期は、本当にすごくきれいでした」。
ほとんどお客さんが引けた夕方に来て、セルフバックで回る。
「コースの方々が、管理に当たられるところをお邪魔します、、て。キャディの方々が、目土しに来てくださるところをお疲れ様です、すみません、って、挨拶しながら」。
いかに手塩にかけられ、この舞台が仕上がっているか。
紅葉が色づき始めるころには開催週に向けて、刻々と変化していくコースの状態も、目の当たりにした。
「じつは、先週の日曜日も来たんです。でも、いつやるんだろう、いつからなるんだろう……」。
世界水準とも言われる高速グリーンに、いったいいつ生まれ変わるのだろう?
先週末には、まだまったく牙をむいていなかった。
首をかしげていったん引きあげたが「今週は火曜日に来て、びっくりした。たった2日でどうやったらここまでになるんだろう、と」。
クラブあげての叡智の結集を、まざまざと見せつけられて、ひれ伏した。
「この大変な時期でもたくさんのお金をかけて、総動員でここまでに仕上げてくださっている。頭が下がる。いいスコアを出さなければ申し訳ない」。
当地に居を移した翌2005年から、市の観光親善大使に就任。
今年は思いがけず、四季折々の魅力を新たに発見できたが、富士の裾野のベストシーズンは、やっぱり深秋の今。
「無観客試合は本当に残念ですが、そこは1日も早い通常の回復を祈りながら」。
御殿場を知り尽くした48歳のベテランも、真っ赤に燃える。