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JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2021
48歳の神業イーグル。宮本勝昌は、いくつになっても魅せる男
7Iで打った168ヤードの2打目はうんと手前のほうからコロコロと、傾斜を伝ってストンとカップに落ちた。
大混戦を抜け出す大きな1打。
生中継のブースがざわめいたのは、快挙のためだけではない。
主役の目線は、なぜかCS放送ゴルフネットワークのカメラではなく遠くの彼方。
「向こうに誰がいるんですかね?」と、いぶかる声。
前、横、後ろと、クルクル方向を違えて、大きく手を振る。
無観客でもまるで、大観衆がいるみたいなファンサービス。
誰もいなくとも、画面の笑顔がいっそう輝く。
「あれが宮本選手」と、放送ブースをうならせた。
いくつになっても、魅せる男だ。
先週は、令和最初の勝利を飾った「中日クラウンズ」で、令和最初の連覇に一歩と迫って盛り上げて、今週もV争い。
もっとも、この日のムービングデーはボギーなしの「64」を奪った前日のようにはいかない。
「予想どおり。苦しかった」と、ジリジリした。
「優勝を意識する最終組。体の動きとか、どうしてもぎくしゃくするのが必ず1日は出てくる。今日は、そんな1日」と、一進一退が続いた。
だが、「残り3ホールで、またイメージが出てきた」と、16番のバーディで息を吹き返した。
アンダーパーに戻して、「何とか、今日1日でそれが終わって、明日は伸ばしあいになるだろうから明日もう一度、ビッグスコアと思っていたら、まさか18番のイーグルでした」と、自分が一番驚く。
一時、石川遼と、金谷拓実の3人首位で並んだリーダーボード。
「そこに48歳の宮本がいる。いやー、気持ちよかった」とニンマリする。
「どんどん、若い子が出てきて。間違ったら親子。そんな若手に交じって48歳の自分が同じ土俵で活躍できるというのは、ゴルフの醍醐味」。
今週も満喫し尽くす。
趣味の競馬用語を駆使するいつもの調子で、「2馬身差をこのまま維持していきたい。明日は楽しみ」。
そして、この日も確認。
「…今日の女子は誰でした?」。
対抗心を燃やすシーンは「ワールドレディスサロンパスカップ」2日目の上田桃子さんのダンクイーグル。
「明日も、あれに負けないくらいが出たらいいなあ…」。
選手会主催の初トーナメントを、48歳がけん引する。
最終日も、女子ツアーの行方をチェックしながら、最終組のパフォーマンスを画策する。