30歳、最初の日が過ぎた。2日目は、7時40分から静かにコースに出た。

前日17日は、朝からたくさんの祝福に、笑顔を返して歩いた。
主催のANAとサポート契約を結ぶホストプロとして記念日を飾りたいと、4アンダーの13位タイから上昇を期したが、4番でボギーが先行。
「誕生日最初のラウンドは最悪でしたね」と、不満はあったが「悪くてもアンダーでプレーできるようなゴルフ力は試されていたと思うので。何とか戻ってこれて良かった」。

強い風や寒さなど、タフな条件下で大崩れもなく、通算5アンダーの24位タイに踏みとどまれたことには安堵した。

プレー後の取材が終わると、こっそりスタッフが呼びに来た。
クラブハウスの階段を上がってしばらくして、レストランから賑やかな拍手が起こった。

10代の頃は、いつも主催者から大きなケーキが振る舞われたが、20代も後半に差しかかったころに「もうそんな年齢では…」と、丁重に辞退。

盛大な誕生会はなくなったが、ほぼ毎年、誕生日と重なる今大会では、いつも行き届いた心遣いに恐縮する。

30代に突入した実感は、まだない。
「意外と、自分はわからない。毎日、必死で生きてるだけなんで」。
30歳最初の日も、ゴルフのことで頭が一杯。

最年少でツアー初優勝を飾った歳から数えてちょうど15年目。
「15歳からの人生も、なかなか刺激的だったし楽しかった」と笑顔で振り返ると「15年、15年と来れば次は45歳。今よりはいい体を作れていたら、50歳で自分史上1番ゴルフが強いというのもありえますね」。

この先のゴルフ人生を見据えて、今日も大好きな輪厚を歩く。

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