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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2021
宮本勝昌「優勝できるチャンスは今年で最後」最年長ホストプロの覚悟
首位と1打差の3位タイで上がってきた宮本勝昌はしかし、この日は米ツアーから帰ったばかりの小平智の話ばかりした。
火曜日に、組み合わせが決まった瞬間から「一緒に回れるのを本当に楽しみにしていた」という。
「久しぶりに見て、感動しました。素晴らしいよ智は。苦しく、厳しい場所でずっと頑張ってきて…。すべてのレベルがまた上がっていると感じた」。
今季はシード落ちでも今度は米二部ツアーから、復活を目指すという小平。
「本人は、また行きたがっているようだから。松山だけじゃない。頑張ってほしい」と散々エールと称賛のあと、やっと自分のゴルフを見返し「僕は智と同じスコアとは思えない内容」と、嘆息した。
ボギーなしの「66」で回り、小平と順位を並べても「僕はへんてこりんなミスしか出ない」と、愚痴しか出ない。
6バーディ獲ったが、「これ以上ないラッキーばっかり」。
満足とはいいがたい内容でも、馴染みのコースで懸命にピンチを拾い、チャンスを獲った。
もちろん、いつだってそうだが、特に「今週はクラブやボールのせいにはできない」。
96年のプロ転向から、ブリヂストン社を代表する契約選手をつとめ続けて25年。
用具使用はもっとさかのぼって「15歳のころからとして…もう35年?」。
日大のアマ時代も含めれば、大会出場は30回近く。
今もバリバリ現役で、シード選手では最年長のホストプロ。
もちろん今週は、来春発売予定という新ボール「ツアーBX」を使い、新ドライバーの「B1」を振る。
「せっかく新しい道具を使わせてもらっている。これでいい結果を出すというのが小さな恩返し」と、心を砕く。
「朝のスタートで、社長のお顔をみたらOB打つわけにはいかない」と、インスタートの10番から会心の当たりで喜ばせ、最後9番パー5もバーディで締めた。
今年序盤は2019年以来のツアー通算13勝目に惜しいのが続いたが”夏バテ”。
でも実りの秋に、ホスト試合で再びのVチャンスをにらむ。
来季は50歳の誕生日を期にシニアツアーへの定着を予定しているから、レギュラーツアーのフル出場は今年で最後。
「ブリヂストンオープンで、優勝できるチャンスも今年が最後と思うから」。
最年長ホストプロが並々ならぬ覚悟だ。