Tournament article
ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山 2021
久常涼が尊敬する先輩を振り切って逃げ切りでプロ初優勝を飾る!
優勝を手にしたのは久常涼。まだ18歳とう若者がプロ初優勝を堂々の逃げ切りで達成した。男子ゴルフ界に新しいスターが誕生した瞬間だった。3日間通算22アンダーという数字はAbemaTVツアーにおける54ホールの最多アンダーパー記録を更新することになった。
最終日は同じ岡山県の作陽高等学校出身の先輩である幡地隆寛との最終組だったが、結果的には4打差をつけて優勝を果たした。
「幡地さんも本当にいいゴルフをしていたので、ずっと怖かったんです。長い1日でした。でも勝てたことは本当に嬉しいです」。
幡地に4打差をつけてスタートし1番、2番と幡地が連続ボギーを叩いたこともあり、差は一気に7打差まで開いた。このまま久常が楽々と逃げ切る展開かと思われたが、そこは幡地にも先輩の意地がある。3番のパー4で1オンからのイーグルと奪うと、8番のパー4でもこの日2つ目となる1オンからのイーグルを奪取。この時点で久常は1ストローク差に迫られた。
ただ、心中穏やかではないと思われたが、意外と冷静に状況を受け止められていたという。
「リードしているとは思っていませんでした。とにかく逃げずに、自分のゴルフをやろうと思っていたので。前日にビッグスコアを出したことで、今日は同じようなゴルフはできないだろうと思っていましたし、同じ組だった薗田さんからも大きなスコアを出した次の日のゴルフの仕方みたいなアドバイスももらっていたので。そう考えるといろんな人に支えられての優勝だったと思います。それに幡地さんと同じ最終組だったというのも、自分にとっては意味のあることだったんです」。
幡地は9歳違いの先輩になるが、久常にとってゴルフを本格的に初めてからずっとヒーローのような存在だった。久常が魅了されたのは、幡地が持つ人を魅せるゴルフができる点にある。
「今日もパー4でイーグル2つですよ。そんなゴルフができるのは日本では幡地さんだけだと思います。ずっと尊敬してきた幡地さんに打ち勝てたことは本当に自信になりますし、いいスタート地点に立てたと思います」。
一方、追いつけそうで手が届かなかった幡地も最終日のゴルフを楽しめた様子。
「途中、雨が結構強くて疲れも出ていたんですけど、ただ目標が20アンダーだったので、優勝というよりはそこに意識を向けてやっていました。(久常は)もっと暴れるスイングというかゴルフをするのかと思っていたんですけど、試合になるとうまく打てているなという印象でした。前半は少しパッティングが打ち切れていない感じだったので、チャンスがあるかなと思ったんですけど、途中からはパットもいい感じで打てていましたね」。
憧れの先輩に打ち勝ってのプロ初優勝は格別なものになったに違いない。これからますます強くなりそうな予感がする久常に期待が高まる。