Tournament article

Novil Cup 2022

無欲の副田裕斗が逆転で悲願の初優勝を飾る

今シーズンのABEMAツアー開幕戦『Novil Cup 2022』の大会最終日が徳島県のJクラシックゴルフクラブ(徳島県阿波市土成町秋月字明月176-1)を舞台に行われた。

見事優勝を飾ったのは副田裕斗。首位と1打差の2位タイからスタートした副田は、スタートホールで幸先よくバーディを奪うと、その後もあぶなげない内容のゴルフを展開する。初優勝へのプレッシャーがかかる状況の中、これまでの副田とはちょっと違うプレーぶりで見事な逆転劇を演じた。

今シーズンでプロ9年目となる副田だが、自他共に認める遅すぎる初優勝となった。それもそのはずで、これまでABEMAツアーでは2度プレーオフで敗れたことがあり、昨シーズンの最終戦では最終日をトップで迎えながら逆転負けを喫している。

「これまでは色々と考え過ぎていたなと思います。今週は風が吹いても、周りがスコアを伸ばしてもあまり気にしないでプレーができたかなと思います」。

考えるなと言われても、なかなか簡単にそれを実行できるものではないが、今週の副田にはそれができた。その要因は奇しくも病み上がりだった体調にあった。

少し前に体調を崩したことで、練習ができなかっただけでなく体力面でもかなり低下していた。そのため、今週は18ホールを歩ききることさえ辛い状態。ただ、それが理由で1つのミスに一喜一憂しなくなった。歩いてプレーしきることに意識がいったことで、ゴルフに対しては多くを求めなかった。そんな無欲がもたらし勝利は、副田に新たな新境地を開かせたのかもしれない。

遅過ぎた初優勝の次は早すぎる2勝目を狙う。今シーズンのさらなる活躍に期待したい。

なお、3日間通算14アンダーの2位には原敏之。さらに1打差の通算13アンダーの3位タイにはこの日のベストスコアとなる7アンダー65をマークした小西貴紀と勝俣陵の2人が入っている。また、日本大学の@古川龍之介さんが3日間通算10アンダーをマークして5位タイに入りベストアマに輝いている。