4年前から握る中尺パターが序盤から冴えた。
1番で5メートルを沈めると、2番ではカラーで握った13メートルも入った。
南カリフォルニア大学の卒業に合わせて昨年5月にプロ転向し、日本ツアーでキャリアを始めると決断。
9歳から過ごしたアメリカからいったん帰国した。
昨年大会は、月曜日のマンデートーナメントを突破して、初出場を果たして初日に3位(結果15位)。
ここ富士桜のグリーンには、見上げる富士山からの目がある、とは多くの選手が言うことだが「去年はそれを知らずにやって入ってたので。今年も気にせず」。
自分のライン読みとタッチ、感覚だけに頼ってプレー。
「目が強いと思っても、自分の読んだラインを信じないとそこに打てない。逆に知らない方がいいこともあるのかな」と、現在の平均パット1位が言うと、説得力が増す。
本格参戦初年度の今季は、ほぼ知らないコースばかりだが、「基本、初日のハーフをやったら自動的に、だいたい感じが分かってくる」と、当時は入れあぐねて4年前から使い始めた中尺パターも今では器用に操り、すぐにグリーンのクセもつかめる。
加えて、スタート前の練習では、その日のコンディションに合わせて距離感をつかむことも重要だ。
「僕は、めちゃめちゃ長いパットを練習してから出ます。15メートルから20メートルくらいのを」と、パッティンググリーンを広く使って「長いのをやっとけば、短いのは簡単に合わせられる」と、この日は最終ホールで、3メートルの外し頃も、カップの縁にぶつける確信と強気のタッチでバーディ締め。
ガッツポーズを作った。
7500ヤードを越える長距離も「慣れているので、余り感じない。日本では長めのコースも、僕には逆にチャンスかな」と、アメリカ仕込みの豪打が生きる。
今季は、2位2回を含むトップ10が7回。
首位とはわずか3打差。
「いつかは、勝てると思ってやっています」。
初Vの機は熟した。