またすべての日本タイトルにおいては、16人目(24回目)。
「ほんとうに、連覇っていうのはなかなかできないこと。自分もしたことがあるのかな…?」。
谷原秀人(たにはら・ひでと)が、2015ー16年の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」以来、2度目の快挙を達成した。
昨年は、1差の単独首位から出て逃げ切った。
今年は、4打差の5位タイから出て大逆転した。
「まさか、自分が勝てるとは思ってもいない。連覇がかかった今年も最後にまた勝てるとは。最高の正月が来ます。その前にクリスマスも来ます」と、今年最後の試合でまたひとり真っ赤なブレザー姿で喜んだ。
「きのう特にスピードがあがったグリーンが、きょうはまたすこし遅くなっていたので自分にもチャンスがあると」。
2番パー3で睨んだ途端に10メートルが決まった。
8、9番の連続バーディで折り返すと後半14番で、ピンそばのバーディを奪って首位を捉えた。
いよいよ終盤の17番パー5は手前10メートルに2オン成功。
入りかけのイーグルトライでついに単独トップに立つと最後18番パー3は、今年もまたあえてグリーン手前に置く作戦が、あいにくディボット跡に。
かろうじて、奥2メートルにつけたパーパットは「距離を合わせに行ったら入らない。入れることしか考えない。ダボか、パーかいずれか」と、いちかばちかをしのいだ。
通算12アンダーで耐えて後続プレーを待った。
先週までの今季勝者16人の平均年齢27.6歳は、記録が残る1985年以降で最も若い。
41歳の岩田寛をしのぐ今季の最年長Vを達成し、「俺、変えちゃったかな…?」と、気にかけたが44歳を足しても平均28.23歳。
かろうじて、記録は保持して「今シーズンは、若い選手がバンバン出て来た。来年はもっと若い選手が暴れてくれると思います」と、Vスピーチを兼ねた選手会長のこの1年のご挨拶で男子ゴルフを全力アピール。
「今週の40代は、僕とケネディと岩田だけ。肩身は狭いですけど、40歳でもまだまだ優勝できる」と、まだまだぜんぜん譲らない。
「きのうも、2日目も一緒に回って、ショットもアプローチもかなり上手になっている」と、最終日を単独首位から出た33歳の小平智(こだいら・さとし)を称えたが「サトシはアイアンショットがいまひとつ、ついてなかった。そこが切れだしたら自分も追いつけていない」と、分け目を分析。
「自分が若手より、上回っているところがあるとするなら経験値。毎年ドキドキはしますが落ち着いて、感情をコントロールできるようになっている。小技で生きてる要素があるので、そこを若手にも見て欲しい」と、呼びかけた。
今季の選手会長が、シーズン最後の試合をドラマチックに締めた。
「今年もっとも活躍した選手しか出られない試合でまた一番になれるというのは、幸せなこと」と、改めて連覇の偉業を噛みしめ、「来年の目標は3連覇。若手の壁になれることを喜びながら、また頑張ろうと思います」と、引き続き二足のわらじに決意をこめた。