富士桜が今年、さらにモンスターと化している。
今年はコースレイアウトをアウトとインでがらっと入れ替え、かつて6番のパー5が、15番の長いパー4に。
総距離7424ヤードはパー70の設定としては、史上もっとも長いコースとなった。
距離が長い上に茂るラフは例年より深く、待ち受けるグリーンは硬くて速い。
2日目の予選カットスコアも、今季ワーストの通算6オーバーになった。
主戦場の米二部ツアーからいったん戻ってきた桂川有人(かつらがわ・ゆうと)は、「今年はメジャーも経験させていただきましたけど、今週のコースの難しさはそれ以上に感じます」と、ため息をついていた。
また、ゼネラルプロデューサーの戸張捷(とばり・しょう)氏のひと声でなされたというアウト←→インの総交換は、上位者がみな旧10番の新1番から出て、旧9番の18番に戻ってくる週末こそ、新たな展開を生みそうだ。
2012年覇者で、初出場の2015年と昨年を除いて全トップ10入りを記録している18年、19年賞金王の今平周吾(いまひら・しゅうご)が「決勝ラウンドのゲームプランは確実に変わります」と、話すのは、池がらみの難ホールがぎゅっと詰まった従来のアウトコースが、今年はサタデー&サンデーバックナインのインコースに装置されたから。
「今までは前半アウトで耐えて、後半インで伸ばしたり、追いかけたりというのを、今年はアウトで伸ばしてインで耐えるというプランに変えていかないといけません」(今平)と、週末にむけてスイッチを入れていた。
長年、大会をテレビで観くださっている視聴者のみなさまにとっても、中継ホールとなる後半ホールが、従来のアウトコースとなることで、注目ポイントもがらりと変わる。
それが、戸張氏の狙いでもあり「富士桜カントリー倶楽部は実はどういうホールから始まって、18番にどうつながっているのか見ていただきたかった」と、話す。
アウト・インの入れ替えと共に改良も加えられ、以前5番の新14番パー5は、後方にティーイングエリアが増設され、手前の池が生きる設定に。
またかつて6番のパー5は、グリーン手前の松の木を切るなど新15番のパー4に生まれ変わるなど、V争いの選手たちはクライマックスに向かうほど耐える展開を強いられる。
中でも注目は、戸張氏が「3日目までは210ヤードを打たせて、最終日は100ヤード前後を打たせる」と、ティ替えのプランを明かす池がらみの16番パー3だ。
選手たちで番手選択を惑わせ、スピンコントロールの妙を引き出す狙い。
予選と最終日で極端に距離が違う設定は「見ていても、かなり面白くなるはず」と戸張氏。
グリーンに近づくことで、よりホールインワンVの確率も高まるだろう。
「同じ大会だけど新しいトーナメントをやっているみたいな感じ。そういう面白さを見せられるのが、プロの試合と思う」(戸張氏)。
2日目を終えて、通算2アンダーの6位タイで決勝に進んだ2010年大会連覇の石川遼は「より技術の差が出る。日本のツアーでこういうセッティングをやっていただけるという感謝の気持ちいっぱいです」と、話した。
新生・第51回の週末が幕開けする。
<きょうの中継スケジュール>
11:00~13:20 CSフジテレビONE【LIVE】
12:00~13:20 BSフジ【LIVE】
13:35~14:50 フジテレビ系列全国ネット【LIVE】
24:00~25:14 CSフジテレビONE(地上波再放送)