左の向かい風に対して7番アイアンで放ったティショットはピン筋に飛び、ピン手前に着弾した瞬間、視界から消えたが、お客さんはみなティー側に集まり、グリーンはがらんどう。
「誰も気付かなかった・・・」と、静かな中を歩いて、カップの中身を確認し「入った・・・!」と、喜びは時間差で来た。
等賞ホールではなかったが、主催者から30万円のご褒美をいただく美味しい1打で一気に首位と1差の3位に浮上。
思いがけない好発進に、「運を使っちゃったぜ」と、小躍りした。
昨年12月のファイナルQT35位でメンバー入りを果たしてプロになり、今年5月の「関西オープン」で3位タイの鮮烈デビュー。
8月の「Sansan KBCオーガスタ」は7位で今季2度目のトップ10入りし、初シードにもう一踏ん張りのところに来ている。
大阪学院大3年時に転向し、在学のままプロ活動を続ける流れは、1学年先輩の平田憲聖(ひらた・けんせい)と「まったく一緒」とここまでは同じ道でも、平田の今季初優勝は、すでに大学卒業後。
「実は違うとなったら困るので」と、あえて最後まで家系図は辿っていないが、おそらく、間違いなく戦国武将・宇喜多家の末裔が抱く野望は、学内ではまだ例がない「在学中のツアー初優勝」だ。
「人は人。自分は自分」と、我が道を行く新人が、まずは初日の快挙で夢の第一歩へつばさを広げた。