4打差の4位タイから出て、2位と2打差をつけるみごとな逆転劇を演じて「初戦で勝てたので、最高の滑り出しができました」と、喜んだ。
大混戦のこの日は2オン2パットの4番パー5が最初のバーディだった。
「チャンスについても入らない」と、最初は静かだったが、2メートルを沈めた9番で覚醒。
「いいタッチで打てた」と、10番の連続バーディにつなげて12番から一気に3連続を記録。
「スコアを見ると自分に制限をかけてしまう」とそれまで目をそらしていた速報板を注視し「伸ばさないと追いつかない」と、スイッチオン。
ついに首位を捉えた。
17番でイーグル逃しのバーディを奪い、2位と3打差つけた。
「最後、獲ったら勝てる」と、18番でPWを握った145ヤードの2打目は一段と気合が入った。
左奥2メートルに着弾したチャンスを沈めてガッツポーズを握った。
通算20アンダー到達に「勝った…」と、思わずつぶやいた。
「年間3勝」を掲げて迎えた今季は「初心に返って階段ダッシュ」。
地元埼玉の自宅近くにある展望台の200数段を駆け上がるトレーニングはジュニア期からの日課だったが、3年前に横浜に越してからは、ごぶさた気味だった。
「僕は感覚派なので、マシンでやると固くなる。バネのある強さは階段ダッシュで得られる」と、オフに毎日10往復。
元来のしなやかさを取り戻したスイングと、「ヤマハさんが僕好みに作ってくれた」と、7年ぶりに一新したクラブが早々にマッチ。
通常より1時間も前にコースに来て、「71」と伸びあぐねたのは単独2位から出た前日3日目。
普段はスタートまで40分を切っても姿を見せず、スタッフが遅刻かと慌て出すのが今平の本来のルーティンだ。
「きのうは気合を入れて、早く来たのですが、時間を持て余すと考える時間も多くなり、それで調子を崩すことも多かった」と反省して最終日は原点回帰。
38分前に来て、練習場は20分。体を慣らしてパット練習はわずか3分の時短V。
18、19年の賞金王を支えた柏木キャディとの再タッグで開幕ダッシュに成功した。
17年から6季連続優勝も早々に達成。
「次の試合でも優勝したい」と、思いは加速する。
「調子も上がってきたので、また賞金王を獲れるように頑張りたい」と、王座奪還も早々に加えた。