遠藤 彰(えんどう・あきら)は、7月7日の大会予選を40位で突破して、これが今季の初レギュラーだったが、プロは20年目。
大会出場は8回目。
今年44歳。
「歳も歳ですし緊張というよりは、自分がどんなプレーをできるかと。ワクワクの方が大きい」と、メジャーの舞台で初日からのびのびと、3アンダーの「69」をマーク。
6位タイの滑り出しに「上出来です。ボギーも一個で済んでいますし、ラフにいったショットもグリーンまわりに持っていけたり、苦しいパーがなかった」と、総括した。
2004年末にプロ転向し、本格参戦できたのは、前年のQT20位で12試合に出場した2013年だけ。
少ないチャンスを生かして初日に首位発進した2017年の「日本ゴルフツアー選手権」など、上位を記録した際には必ず話題になるのが、スキーの大回転からゴルフに転向した異色の経歴だ。
中学時代に全国大会で顕著な結果を残して、卒業後に地元山形県を飛び出し、カナダにスキー留学した。
本場でオリンピックやワールドカップを目指したが、レース中の転倒で右膝の靱帯を損傷。
スキーは断念したが、リハビリで始めたゴルフにハマり、帰国後に栃木県のゴルフ場で研修生から始めて6年でプロテストに合格した。
スキー譲りの「足を使ったスイング」を特色とし、レッスン業やミニツアーを転戦しながら、レギュラー昇格を諦めない。
「スキーは命がけですが、ゴルフは死なない曲がるだけ。楽かなと思ってやっています」と、朗らかな夢追い人だ。
今週はスキーの本場、北海道で大会前にかつてのスキー仲間とバーベキューで同窓会。
宴席ではマスターズスキー大会の出場を勧められたといい、「ゴルフとの二刀流、面白いかも!」と、好奇心を大いに刺激されるなど、「それも今日のスコアにつながったと思う」と、感謝する。
今月16日に実施したJGTO主催の全国小学校のスナッグ大会では、プロによる特別編成の「ドリームチーム」に欠員があると聞きつけ「いいよ、日程空いてるから」と、メンバー入りを快諾。
「子どもたちの真剣さに打たれて僕らも真剣にプレーしました」と当日、いきなり初体験のスナッグゴルフも大ハッスルだった。
パー36に対して27ストロークの“ブービー(下から2番目)”に終わったが、「未来ある子どもたちのお手本となれたことは、今後の人生にもプラス。またぜひ参加したい。僕から立候補します!」と、再挑戦を確約した気の良い男。
第20回「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会 in 西郷村」は多古町立久賀小が優勝!
「明日はまず、予選通過を目標に、スコアを伸ばせたらいいな、と思います」。全国スナッグキッズも、がぜんリーダーボードに注目しているはずだ。