時松隆光(ときまつ・りゅうこう)が、土砂降りの雨の中でも、思いを貫く。
「自分が描いている球をひとつでも多く打つこと」。
その一心で、中断継続中の現時点で暫定トップに就いた。
2度目の中断合図は8バーディ、1ボギーの7アンダー「65」で上がり、報道陣の囲み取材に応じて「きょうは飛ばないので、きつかったがパットが入った」と、答えていたまさにその瞬間。
荒天下の無事完走は幸運ともいえるが、そんなことでは慰めにもならない。
「先週ちょっと光が差したかな、と思いましたけど。相変わらずショットはばらばら」。
厳しい表情は、3日目に6位タイに浮上した先週の「Shinhan Donghae Open」からほぼ変わらず、この日は最初の中断時に、後半11番で8メートルも残した長いパーセーブを再開直後にしのぐなど、パットでカバー。
先週7日に30歳を迎えて「疲れも、筋肉痛も、二日酔いも取れなくなる年頃になってきて・・・。今まで使っていたクラブも対応しきれなくなってきている」。
ショットの不振に寄る年波も加わり懸命に抵抗中。
「易しいクラブに変更しつつ頑張っています」と、ため息が出た。
大会は、アマ期の2010年から9回出て昨年は4位タイ。
2017年と2019年とで2位2回。
「今年全体で見たら調子はかなり悪いので・・・」と、先々週まで4試合連続予選敗退するなど、スランプの今季、「なんとか、模索しながらここまで来たんですけど。輪厚はほんと、僕は調子が良くなる大会なので。どれだけ調子悪くても、くじけずに来たらなんかいいことあるのかな・・・」と、ひそかに期待していたとおりの好スタートだ。
大好きな輪厚。
「何か、きっかけがつかめたら・・・」。
祈る思いでげんちゃんがきょうも立つ。
2位2回は、2回ともプレーオフ敗退だった。
前週まで7戦連続予選落ちで来た2017年は、池田勇太と今平周吾と戦い池田に競り負け、2019年は、史上最多の5人で挑み、同い年の浅地洋佑に破れているが、リベンジうんぬんは、まだ言えない。
「今年はほんと調子悪くて。それどころじゃない調子なので。もう少し上手くなってから発言するようにしますね」と、ぺこりと律儀に頭を下げた。