21組60人が競技を残しておりまだ暫定のボードだが、プレー中の金谷拓実(かなや・たくみ)は2位。
競技を終えた中島啓太(なかじま・けいた)は、3位タイ。
安森一貴(やすもり・かずき)が9位。
先週大会で、しのぎを削ったばかりの若手らが、上位にしっかり名前を連ねる。 先週「ミズノオープン」の最終成績
その中で、先週覇者が異彩を放った。
平田憲聖(ひらた・けんせい)が、暫定の5位タイ浮上。
競技中断のフォンが鳴ったのは、最終18番のプレー中だった。
雷なら即、プレー中止だが、雨だけなら当該ホールは完了できる。
バンカーから2メートルにつけたパーパットを沈めて、第2ラウンドを回りきり、プレーを終えた選手で唯一のボギーなしとベストスコアの「67」を出した。
自称「雨男」だ。
「それまで耐えてた雨が、出かける時にばーっと降ったり」。
直近では、契約先ミズノの大事なイベントも大雨。
4月の地元「関西オープン」では、3日目の大雨で、ボギーなしの「63」で回った。
「きょうはカッパを脱ぎたかったけど、脱げなかった。1日カッパを着続けたことはなかった。それくらい雨風が強い中で、良いゴルフができた」と、難条件と格闘してきた割には、表情はいつもどおりにおだやか。
「グリップが滑ったりとか、雨に対する準備など、色々な工夫を1つ1つやっていくと、余分なことを考えずに済む。勝手に集中できる」と、右に曲げた12番では、10メートルものパーパットを拾うなど、悪条件でこそ存在感を放った。
予選ラウンドを共にした石川遼と、小学時代に参加した時のジュニアイベントもやっぱり雨だった。
「今回もその話しになって、あのときのことを覚えていてくださった。凄く嬉しかった。素晴らしい経験ができました」。
憧れ続けた存在に、成長のあとを目の前で見てもらえた日もまた雨となった。
中島とのプレーオフ3ホールを制してツアー初優勝を飾ってすぐ、またV争いに入った。
初出場の昨年大会で7位に入った日本タイトル戦で、日本勢としては初となる初Vからの2週連続優勝(記録が残る1985年以降)と、大会史上最年少記録もかかる。
「自分では、伸ばし合いより我慢のほうが得意と思っています」。
快挙達成に、大いに期待を持たせる雨中の好プレーだった。