関西のみならず、日本を代表する名門中の名門として歴史と伝統を重ねて来られた。
近年に入って2011年に、全米オープンの開催コースの改造も多く手がけたリース・ジョーンズ氏の再設計化が施されてさらに洗練。
21世紀に見合った距離と難易度が加わった。
本大会の開催は、1973年(優勝ベン・アルダ)と、1996年(ピーター・テラベイネン)に続く3度目。
直近のスポンサー試合としては「パナソニックオープン」を開催しており、インドのラヒル・ガンジーが制した2018年大会では7343ヤードに対してパー71の設定だった。
今回は、前回13番パー5を502ヤードの長いパー4に変えて、7315ヤードのパー70に。
フェアウェイを逃したボールは深いラフにすっぽり潜り、背の高い林は両サイドからプレッシャーをかけてくる。
日本ゴルフ協会(JGA)の山中博史・専務理事の説明によると、今週月曜日に査定したコースレーティングは「77.6」といい、「これは、ハンディキャップ0の方がプレーした場合のパープレーとなりますが、かなり難しいセッティングになっていることは間違いない」。
今年も、タフなゲーム展開が予測される。
開幕前から、もっとも警戒されるひとつが、527と514ヤードのティボックスを使い分ける7番の長いパー4。
史上初のアマ2勝を達成した昨年覇者の蟬川泰果(せみかわ・たいが)は、火曜日のプロアマ日に追い風の2打目で6アイアンを使ったそうだが、「アゲンストだと別人のようなコースになる」と、畏れている。
「どのホールも曲げると、ケガが大きくなる。優勝スコアは2桁アンダー行くか行かないか。個人的なめやすは2桁アンダーをめやすにプレーしたいけど・・・」(蟬川)。
早くも選手たちを悩ますが、主催者の懸念は一点、この夏の猛暑でダメージを受けたグリーンのこと。
とりわけ3番、14番と18番が顕著で、プロアマ戦では3番と14番の使用を控える苦渋の策がとられた。
本戦では181ヤードと141ヤードのティを使い分ける14番では開幕前日の練習日も1人1球の制限をかけるなど、「残念ながら、完ぺきな状態ではないことを認めざるを得ない」と山中氏。
他ホールの刈り高にできるだけ合わせるため、転圧器やローラーで、均一化を目指すが、速度を表すスティンプメーターは前週の8フィート半から、いまようやく9フィートまで上がってきたところ。
戸張捷・ゼネラルプロデューサーは「グリーンキーパーは夜も寝られないほど悩んでおられる」と明かす。
血のにじむ努力のおかげで「日本オープンとして“そこそこ”耐えうるグリーンコンディション、表面の硬さに整いつつある」と、戸張氏。
開幕ギリギリまで日本最高峰の舞台作りが施される。