雨中で出した渾身の8バーディ、1ボギーの内容をすべて思い出すのはなかなか困難だが、後半3番ではこの日2度目のチップインから始めた4連続バーディなら、濃霧の中でも記憶は鮮明。
一昨年秋から「嫌なラインで変な動きをするとか、短い距離で手が動かない」と、悩みを抱え続けてきたパットも今年5月の「関西オープン」で、パット専門のコーチに指導を受けると、「今は読み違いで外れるくらい。気持ち悪いのがいっさいなくなって、あとは自信を持ってやれている」。
ひとつ課題をクリアできたら5月の「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」で2位タイに入るなど、「面白くなってきました」。
待ってましたのツアー初優勝へ、光も差し出した。
今週、全米オープンを戦う松山英樹は大学先輩。
佐藤は特に可愛がられた一人で、松山が連覇を狙った昨10月の日米「ZOZOチャンピオンシップ」は勉強しに、ギャラリー観戦へ。
最終ホールの3打目あたりで、ふいにロープ際まで寄ってきた松山は、佐藤にひとこと「よう、へたくそ」と、言ってニヤリとしていた。
軽口も気に懸けてもらえるからこそ。
アメリカでは松山の無精ヒゲが話題だが、佐藤は「毎年オフはヒゲ生えています。今年はヒゲのまま行っちゃうよ、と」伸ばし始めたのが、たまたまおそろに。
「でも、松山さんは“ここ”があるじゃないですか」と、もみ上げの辺りをさして「かっこいい。僕は“ここ”が生えないので。松山さんくらいあったらいいな」と、ヒゲの生え方まで心酔する。
佐藤も海外志向が強く、2015年にプロ転向し、2017年には中国でもプレー。
2018年はABEMAツアー2勝で同ツアーの賞金王に輝き、レギュラーツアーでシード入りを果たした2019年も中国ツアーで戦い1勝を飾った。
「今年はワクチンも必要なくなったし、ヨーロッパのQTに挑戦してみたいと思っています」。
韓日ツアー初の共同開催から、世界への足がかりを作る。