石川遼の8歳弟、石川航(いしかわ・わたる)が、昨年8月の「Sansan KBCオーガスタ」に続く、アマプロ通算3度目の予選突破を確実にした。 スコア速報
通算4アンダーで迎えた最後9番のパーセーブは惜しかった。
左手前のバンカーから寄せ損ねた6メートルは、カップに蹴られてボギーで終了。
2日目イーブンパーで振り出しに戻ってしまったが、前日初日に出した首位と3打差の3アンダーが大いに生きた。
日体大同期の河本力(かわもと・りき)らと共に並んだ8位は、自身初の一桁発進。
「トップと近い位置で回るのが目標でしたので。理想のプレーができました」と、納得の滑り出しができていた。
以前は「お兄ちゃんのスコアを見て尊敬している感じでした」と、ただただ偉大な兄の背中を追うばかりだったが大学で揉まれ、「全然通用しない」ともがきながらもプロ転向し、「最近は若い、僕らの世代がツアーを引っ張っている」と、今はむしろ同世代を意識する。
その最たるメンツが河本や、大学後輩の中島啓太で「見ていてすごく勉強になる」と卒業後は2人を見習い肉体改造に着手。
「リキのトレーナーさんにいいよ、と言われて一緒にトレーニングをさせてもらったこともありますが、ついていけなかった」と嘆息するが、自身もジム通いと合わせて「タンパク質の量を計算して何グラム、と意識してとっています」と、徹底した栄養管理につとめてこの2年で体重10キロUP⇒76キロまで増量。
パツパツに変身した肉体を駆使して「15ヤード伸びました」と、飛距離アップにも成功した。
練習時も「ただ普通に来て打つだけじゃなくて、ここはこういうショットが必要だから、こういう練習をしないといけない」などとマネジメントとスコアメイクを加味して打撃場に立つなど、プロ意識も高まるばかり。
ツアーでほぼ1年ぶりの決勝ラウンドで、回ってみたい選手に上げるのも「リキやケイタ」と、同世代の名前。
「3人で回れたら楽しいだろうな、と思います。いつか優勝争いでプレーしてみたい」と夢見るが、もちろん、お兄ちゃんの存在が、いつも支えであることには変わりない。
「今週は時間が違うので、まだ話せてないですけどひそかに応援してくれていたらいいなあ…と思います」と、偉大な兄には変わらぬエールを希望していた。