レジェンドのアンバサダーが開催に尽力した新規試合で、清水大成(しみず・たいせい)が自己ベストを1打更新する「61」。
1日10アンダーの離れ業を達成した。
ボギーなしのバーディ10個は、「全部ウェッジで寄せて、バーディを獲ったもの。100ヤード以内が良かったです」と、あまりの多さについ詳細を割愛したくなったが、ティショットを右隣の1番ホールに曲げて木の下から急フェードで1ピンにくっつけた2番など、劇的な場面もあった。
後半終わりの8番で、ロストボールの+3。ダブルボギーで2オーバーまで落ちたのは前日初日。
さっそく予選通過が厳しい位置も、「きょうはもう遅い」と、ささっと宿に帰って、ぷらっと町中華。「麻婆茄子は絶品でした」と大らかに、「食べて寝たらすぐ忘れる」と、カラっと切り替えると翌朝には80位の圏外から一気にVモードに突入。
初優勝もにらめる位置に。
学生時代から、プロをしのぐ豪打を売りに活躍。
会場の横浜カントリークラブは、大学1年時(2017年)の文部科学大臣杯で、同期ですでにプロ1勝の桂川有人(かつらがわ・ゆうと)と最終日最終組を争い、桂川に優勝を譲ったコースだ。
2020年のプロ転向前から清水もすぐに勝てる素材と言われたが、同期や下の世代に次々と抜かれ、今度は「なぜまだ勝てない?」と、言われるように。
「焦りはある」と、率直に明かす。
「でも…なんていうか、言うのが難しいんですけど焦っても、優勝できるものでもないと思うので」と、うじうじしない。
プロ転向してすぐのシード入りから3季目。
今季は「1ヤードでも飛ばしたい、と力が入って右プッシュ。どれだけ手打ちをやめれるか」と、飛ばせる分だけ暴れるショットを、いま全力で修正中。
「思うような球が打てるようになってきた」と、大事な試合でその成果が出始めている。
大会アンバサダーをつとめるのは部内で今も「神」とあがめられる、日大ゴルフ部のレジェンド。
本大会は、米3勝、国内10勝の丸山茂樹が開催に尽力して今年、立ち上がったばかりだ。
偉大な存在でありながら、「いつも僕らにやさしく接してくれる」と、2週前には北海道で行われた丸山主宰のジュニアイベントに呼ばれるなど、期待も肌で感じる。
「今年第1回ですし、もちろん良い結果をご報告できたら」。
まずは2日目の大まくりで大先輩にもアピールした。