成功すれば大きな褒美を受け、失敗すればケガを負う。
優勝した中島は、あえて刻みを選択した。
「レイアップすることは中断中にキャディさんと話して決めていた」と、明かす。
「あのピン位置に対して、僕は今週、2回バンカーに入れたんですが、今日はバンカーではいい状態にならないだろうと考えました」と、108ヤードから5メートルのチャンスを作ってバーディ。
「あそこは作戦勝ちです」と、再びトップに立ち最後1差で競り勝った。
逆に蟬川泰果(せみかわ・たいが)は、8番でワンオンを狙って大ケガを負った。
4番からの3連続バーディで、中島に1打リードで入ったが、ドライバーを握ったティショットは「左右もそんなに狭いホールではないので、ミスはしないかと思ったんですが、右を怖がりそれ以上のミスをした」と、左サイドの藪の中。
歩き回るのも困難なエリアでは、所在も定かでなくまさかのロストボールとなり、打ち直しも乗せられずに4オン2パット。
ダブルボギーで後退すると、そのまま最後1差の2位で競り負けた。
「アマチュアの時は雲の上の存在だった中島選手と同じ舞台で戦えるところまで来て、かつ優勝争いができたので、勝ちたかった」と、悔しがった。
先週の「日本プロ」でも同学年の平田に破れて2位だった。
「自分にプレッシャーがかかったときに、真っすぐ構えて、真っすぐ打つというのが段々と出来なくなってくる。どんなミスするかもわかってきたので、自分の癖と上手く向き合いながら、危機察知能力ももっと必要。また次も優勝争いして今度は負けたくない」と、思いを募らせていた。