最後18番も、ピンそばのバーディで締めくくる中、本人も納得のプレーはチャンスホールのパー5で、4つとも伸ばして戻ってこれたこと。
ツアーでも飛ばし屋で、「フェアウェイに行ってくれればセカンドはアイアンで狙える」と、ムービングデーの要とした。
「僕の一番のネック」と認めるパットは今週、東北福祉大の大先輩からアドバイスをもらえた。
佐藤賢和キャディは、石川遼の不動のエース。
先週の「ANAオープン」最終日で同組になり、今週はまた練習日に、単独でコースチェックをして歩く佐藤キャディと偶然、また一緒になった機会に、「僕は何を直せばいいですか」と、尋ねてみたという。
「外れてもいいから、パターの決め打ちをするだけでいいんじゃないか」と、佐藤キャディは言った。
「それが、良いアドバイスになった」と感謝する。
「どうしても、結果を見て、入る日、入らない日っていう風にやっていたんですけど、その言葉で、良いパッティングをしても入らなかったらしょうがないよね、と」。
常に石川に寄り添うエースの鑑識眼はホンモノだった。
「いつも、くだらない話しかしないんですけど、初めて佐藤さんにまじめな質問をして。すぐに答えが返ってくるってことは、それだけ周りの選手も見ているということ。いいキャディさんと思います」。
おかげでグリーン上の悩みが晴れたという。
「でも、佐藤さんのおにぎりは二度と食べないです」と、急にニヤニヤしながら言う坂本。
先週、ラウンド中に「俺の作ったおにぎり、食べてみて」と勧められ、頬張ったら途端にそのホールでボギーを叩いたんだそうだ。
「すぐ調子乗るんですよ、あの人」と、上げたり下げたり忙しいが、なぜかベテランプロに可愛がられる26歳。
プロ転向6季目で、賞金シードはまだ。
最終日最終組も、自身初。
通算17アンダーは、首位と3打差。
「もちろん、毎試合出るからには優勝を目指すのは当たり前。意識はしないと思ってもすると思う。自分にプレッシャーをかけすぎないように、普段通りにプレーできれば」。
初優勝で初シードの大チャンスを見据える。