「連覇のチャンスがあるのは僕だけ。そこを目標に、しっかり予選をクリアして、上位で優勝争いできるように頑張りたい」などと抱負を述べた。
会場の富士カントリー可児クラブは、学生時代に幾度かラウンド経験はあったそうだが、5年前に本大会の開催が決まって以降に大幅な改修が行われ、「印象が変わっているところもあって難しい。特にグリーン周りのラフが深く、フェアウェイを捉えていくのがバーディを獲るために一番大事なこと」と、情報をしっかり更新。
「試合になるとグリーンも硬くなり、ラフに入れたらダメとか考えだすと見方も変わる」。
コースセッティングアドバイザーの桑原克典(くわばら・かつのり)によると、5年シードのタイトル戦に合わせて、フェアウェイ幅がどのホールも20ヤード前後と絞られており、昨年覇者の警戒心も増す。
当週に入って事前の下見は火曜日のプロアマ戦での18ホールと、この日の前日は、午後から本戦でも同組で回ることになった石川遼と9ホールをプレー。
石川とは普段も、そう回る機会があるわけではないそうだ。
この日は午前中の枠が込み合っており、「空いていたのがたまたま遼さんの組でした」と、希少な機会に恵まれた。
「遼さんはいまかなり飛んでいると思うんですけど、その辺で僕とは見ている景色が違うと感じた」と、脱帽する。
「いつも思うことですが、ショートゲームなども、全部のレベルが高い。今日の練習ラウンドでも思いましたね」と、大会前に焼き付けられたのは大きい。
2週前の選手会主催大会での石川の実行委員長Vも、その瞬間を目の前で見た。
「僕たちって、ちょうど遼くん世代。マイクをつけて優勝って、遼さんしかできないこと。やっぱりスーパースター。かっこいいなと思います」と、改めてほれぼれした。
昨年大会では、前週の全英オープンで予選敗退した悔しさを、すぐ翌週に晴らす負けん気を見せた。
91回目を迎えた本大会で、連覇達成者はまだ8人しかいない。
19年大会を制した石川さえまだ成し遂げない偉業で、長い歴史に名を刻む。