それが主催する側としても、どんなにありがたいことか。
今年4回目を迎えた主催大会で、みな痛感する。
2021年に、コロナ禍で苦境の中、自ら活躍する場を自らで作る、と立ち上がった。
回を重ねるごとに、選手たちが実感するのが、大会関係者の間でよく言われる「プロアマ戦が無事終われば、ゴルフトーナメントは成功したも同然」という通説だ。
大会を主催する側の苦労や葛藤を知れば知るほど、支えてくださる方々へのありがたみが増す。
もっともっと喜んでいただくにはどうするか。毎年毎年みんなで知恵を絞り合っている。
今年のプロアマ戦も、より多くのプロと触れあいの時間を持っていただくため、ゲストと回るプロを9ホールずつ交代するシステムは変わらず。
前半担当のプロが昼食まで時間を共にしたあと、後半最初のティショット時までお見送りし、後半担当プロが残りの9ホールを引き継ぐ。
それは基本事項として、前日17日の火曜日に行われた選手会総会で、選手会長の谷原秀人(たにはら・ひでと)が「みんなにひとつお願い」と、切り出したのは、「レッスンするときに、ゲストの方の動画を撮ってあげて欲しい」ということ。
「口でばーって言われても、アマチュアの方はわからないことが多い。でも動画を見ながら解説したら、絶対喜んでいただける」などと、若い選手たちに極意を伝授。
おもてなしにより注力するよう促していた。
18日の火曜日夜に、コース併設の「グリルハウス千本松牧場」で、スポンサーや地元那須塩原市のみなさん、コース関係者の方々を招待して開催した恒例の親睦会で、サトウ食品株式会社の佐藤元(さとう・はじめ)代表取締役社長は、選手会の理事たちが、大会に賭ける思いと、同社の看板商品「サトウのごはん」のパッケージカラーに重ねて開催週を「レッドウィーク」と名付けて開催準備に奔走していることを、大変喜ばれていた。
前夜祭も、プロアマ戦も、スポンサーのみなさまと大いに懇親を深めて、無事終了。
大会はもう半分以上、成功したも同然だ。
佐藤社長が「きょうが晴れならそれ以外はもうどうでも…」と冗談めかして仰ったのは、「みなさん、技量がある方々ですから。雨が降ろうが、何が降ろうがやってくれると思います」と、選手たちへ厚い信頼とリスペクトがあるから。
いよいよ、本業で魅せる番。
ちなみに、サトウ食品の契約選手が万一、予選落ちなら週末のABEMAの生中継で、リポーターをつとめるきまりだ。
初代覇者でホストプロの片岡尚之(かたおか・なおゆき)は「僕はしゃべりが下手なので。土日にリポーターにならないように…」と、全力回避。
塩見好輝(しおみ・こうき)は、ホストプロで挑む初回から、3年連続で予選敗退。
「だいぶさむいんですけど、今年は体調もゴルフもすごい良い。土日にマイクだけは握らないように…。目標は高く、優勝目指して頑張ります」と、意気込む。
「僕もマイクが大嫌い」とは中西直人(なかにし・なおと)だ。
昨年は不本意ながらのリポートだったが「今年の週末はマイクじゃなくてクラブを握る!」と、力説した。
また、ホストプロで人気ユーチューバーの堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)は、「去年、谷原選手会長が優勝したので。今年は副会長の僕は優勝できるように頑張ります」などと宣戦布告をしたが、「今年も若い子をいじめていこうかなと企んでおります」とは、当の谷原だ。
昨年大会は、はたちの長野泰雅(ながの・たいが)をプレーオフで封じた。
開幕前日に、大会会長としてのご挨拶を兼ねた公式会見で「今年も、ちょっとずつですけど、ゴルフの状態もよくなっているので、4日間楽しめたらと思っています」などと、昨年覇者としての抱負を述べた。
会場の西那須野カントリー倶楽部は芝付きもグリーンの状態も過去最高の仕上がりとなっている。
準備は整った。
あとは4日間、みな心をひとつにして真っ赤に燃えるだけだ。