21位でスタートした時点では、トップと9差もあったが、自分が2打差で肉薄していることを知ったのは、この日7つ目のバーディを奪った14番だった。
「ちんたらして…。おーい、何やってんだ」と、43歳が発奮。
「頑張らせるなよ、しんどいじゃないか」と、今オフ発症した40肩の痛みをこらえて、そこから連続バーディ。
一時は1差に迫った。
結果16番のボギーで終戦したが、今年もまた大会会長が勝つのかと、若者たちを脅かした。
昨年大会は「オレからオレ」の表彰式で盛り上げた。
自身の選手会長Vに続いて、今年は石川遼が大会実行委員長Vを達成。谷原の通算19勝目に追いついてきた。
今年は純粋に、プレゼンターとして表彰式に列席し、「俺は何もやっていない。遼とみんながすごく頑張って、大会を成功させてくれた」と、目を細めた。
「いやほんとスゴいよ遼は」と、石川を称えた。
「木金はピンマイクをつけてね」と、予選2日間の石川の挑戦を改めて顧み「ショットの瞬間だけとかならまだいいけど、歩いているときもずっと音声がオンになっているのはしんどかったと思う」とその苦労を想像し、最後は、自分自身の優勝でみんなを喜ばせた石川に向けて「本当にお疲れ様でした」と、労った。
4回目の主催試合を無事終えて、谷原が感じるのは「例年以上にギャラリーのみなさんの笑顔が多いこと。すごく楽しんでくれているのが分かったし、年々良い雰囲気になっている。それは選手みんなの努力でもありますし、何より支えてくださるたくさんのみなさんのおかげです」と、改めて感謝を述べ、「これからも、もっと楽しんでいただくために、みんなでいろいろ考えていきたいです」。
来年もまた一丸で、みんなと一歩前に進む。