前日2日目は、応援に駆け付けたお母さんの淳子さんに、「いいとこ見せたい」と、スタートの3連続バーディで弾みをつけると、2日連続の「68」をマーク。
首位と2打差の6位タイで、自身初の予選通過を果たしてみせ、「あすからやつは誰だと思われながら、上位を守れるように頑張ります」と、笑ってみせた。
名字が違うこともあり、関係者の中でも知る人は少ないが、お母さんの弟が「日本オープン」などツアー通算5勝のレフティとして知られる羽川豊氏。
予選ラウンドのネット生中継で解説をつとめたベテラン藤田寛之も「知らなかった」と、驚いていたそうだ。
「すぐダメだと叱られるのでほとんど教わりません」と笑うが、甥の結果を叔父さんもすごく気にかけているらしい。
以前、シンガポールの試合で小林伸太郎のキャディを務めたことがあり、「そのときについでに名前を載っけてもらいましたが、自分のことが記事になるのはこれが初めて」と、嬉しそうだった。
同学年には小平智や薗田峻輔、小鯛竜也と精鋭が揃うが、自身は自称「遅咲き」の花。
「もうちょっとでそろそろ咲けそうかな」と、初出場のタイトル戦で自分に自信の魔法をかける。
一男一女の父親で、5歳になる長男から頼まれた遠征のお土産はグミ。
初のレギュラー賞金を手にして「箱で買えます」と笑うが、優勝賞金3000万円ならそれどころでない。
先週の「日本オープン」予選では無念の落選しており「ここの優勝枠で出ましょうか」。
初の決勝進出に乗じて大きく出た。
今季から、ファイナルQT34位の資格でやっと初の本格参戦といっても、確実に出場できる保証もなく、現地待機をしながら出番が来ない試合もすでに2度経験。
もう待たない。
主戦場の「ABEMAツアーで20位に入って来季の出場権」が年頭の目標だったが、「ここでワンチャン稼げれば」と、上方修正した。
大会が、終わるころには「やつは誰だ」と言わせない。